フォークリフト免許の取得方法!費用や期間、試験内容から活用できる職種まで
2024年8月21日更新
多くの工場の仕事ではフォークリフトが使われています。フォークリフトの免許を持っていなくても工場で働くことはできますが、フォークリフトの免許があれば荷物の積み下ろしや移動ができるようになるため、応募できる求人の幅が広がるほか、資格手当による高待遇も期待できます。今回は、フォークリフト免許の種類や取得方法などについて解説していきます。
フォークリフトの運転・作業に必要な免許・資格
フォークリフト関連の資格は、フォークリフトで公道を走るための免許と、フォークリフトで荷役作業をするための資格に分類することができます。
フォークリフトで公道を走るのに必要な免許
フォークリフトで公道を走るためには免許が必要です。最高速度が15km/h以下のフォークリフトを運転する場合は、普通自動車免許や小型特殊自動車免許などが必要になります。最高速度が15km/hを超えるフォークリフトを運転する場合は、大型特殊自動車免許が必要になります。
なお、公道を走行できるフォークリフトはナンバープレートが付けられた車両に限られ、荷物を載せた状態で走行することはできません。
フォークリフトで荷役作業をするのに必要な資格
フォークリフトの運転免許を持っていても、フォークリフトを使って荷役作業をすることはできません。工場や倉庫などの構内で、フォークリフトを使って荷役作業をするためには資格が必要になります。それが、「フォークリフト運転技能講習」もしくは「フォークリフト特別教育」です。
「フォークリフト運転技能講習」は最大積載荷重1トン以上のフォークリフトを操作するために必要な資格で、「フォークリフト特別教育」は最大積載荷重1トン未満のフォークリフトを操作するために必要な資格です。通常、「フォークリフト免許」と言ったら「フォークリフト運転技能講習」のことを指すのが一般的です。
フォークリフトを無免許で操作すると・・・?
免許・資格を持たない人がフォークリフトで荷役作業などをすると、6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金が科されることがあります。また、無資格の従業員に作業をおこなわせた工場(法人)にも同様の罰則が科されることがあります。
フォークリフト免許が重宝される仕事・業種
フォークリフトの免許を持った人(フォークリフト技能講習修了証 保持者)は、工場や倉庫、空港や港湾、鉄道など、様々な作業現場で活躍しています。業界で言えば、製造業界を筆頭に、物流業界、建築業界、土木業界、産業廃棄物関連業界などが挙げられます。このような業界ではフォークリフト免許を持っている人を歓迎する求人も多いため、就職・転職の際の選択肢も広がるでしょう。給料などの待遇面で有利になったり、資格手当が支給されたりするケースもあります。
フォークリフトの種類
「フォークリフト」と聞いてみなさんが思い浮かべるのは、フォークが車両前方にある「カウンターバランスフォークリフト」でしょう。その他にも、以下のように様々な種類・形状のフォークリフトがあります。
- リーチフォークリフト
- サイドフォークリフト
- オーダーピッキングトラック
- ウォーキーフォークリフト
- マルチディレクショナルフォークリフト
フォークリフトの種類に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
>> フォークリフトの種類とそれぞれの特徴 必要な資格・免許や注意点を解説-ジョブ派遣
フォークリフト免許(フォークリフト運転技能講習)を取得する方法
フォークリフト運転技能講習は、最大積載荷重1トン以上のフォークリフトを操作するために必要な免許です。この免許を取得するためには、学科11時間、実技24時間、合計35時間の講習を受け、その後におこなわれる試験に合格する必要があります。講習のカリキュラムは以下のとおりで、通常は5日間の日程でおこなわれます。
▼学科
- 荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:4時間
- 走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:4時間
- 運転に必要な力学に関する知識:2時間
- 関係法令:1時間
▼実技
- 走行の操作:20時間
- 荷役の操作:4時間
フォークリフト運転技能講習は厚生労働大臣が指定する教習所でおこなわれており、受講費用は3~5万円程度です。なお、受講資格は18歳以上とされているため、満年齢で18歳になっていれば高校生でも受講することができます。
フォークリフト運転技能講習のカリキュラム一部免除
述のとおり、フォークリフト運転技能講習は学科11時間、実技24時間、合計35時間の講習を受けるのが原則ですが、特定の運転免許を保有している人やフォークリフト特別教育を修了している人、フォークリフトの実務経験がある人などは一部のカリキュラムが免除されるケースがあります。
▼講習時間:31時間
普通・準中型・中型・大型・大型特殊(限定あり)のいずれかの免許を所有している人は、「走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識」が免除され、講習時間が31時間になります。
▼講習時間:15時間
フォークリフト特別教育の修了後、最大荷重が1トン未満のフォークリフトの業務経験が6ヶ月以上ある人は、「走行の操作」が免除され、講習時間が15時間になります。
▼講習時間:11時間
大型特殊免許(カタピラ限定を除く)を所有している人、もしくは普通・準中型・中型・大型・大型特殊(限定あり)のいずれかの免許を所有し、フォークリフト特別教育を修了後、最大荷重が1トン未満のフォークリフトの業務経験が3ヶ月以上ある人は、「走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識」「走行の操作」が免除され、講習時間が11時間になります。
フォークリフト免許の申込みから交付までの流れ
①申込み
フォークリフト運転技能講習を受ける教習所を選び、申込みの手続きをします。必要なものは、申込用紙、本人確認書類、受講費用です。
②学科講習・学科試験
フォークリフト運転技能講習では最初に学科講習を受け、その後に学科試験がおこなわれます。
③実技講習・実技試験
学科試験に合格すると、実技講習・実技試験がおこなわれます。実技講習の内容は、走行の操作と荷役の操作です。実技試験に合格すると免許が交付されます。
フォークリフト免許(フォークリフト特別教育)を取得する方法
フォークリフト特別教育は、最大積載荷重1トン未満のフォークリフトを操作するために必要な免許です。学科6時間、実技6時間、合計12時間の講習を受けることで修了証(免許)が交付されます。講習のカリキュラムは以下のとおりで、通常は2日間の日程でおこなわれます。
▼学科
- 荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:2時間
- 走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:2時間
- 運転に必要な力学に関する知識:1時間
- 関係法令:1時間
▼実技
- 走行の操作:4時間
- 荷役の操作:2時間
フォークリフト特別教育もフォークリフト運転技能講習と同様に、厚生労働大臣が指定する教習所でおこなわれており、受講費用は1.5~2万円程度です。なお、フォークリフト特別教育にはカリキュラムの免除制度はありません。
フォークリフト免許の試験は難しくない!
フォークリフト運転技能講習の試験の難易度は低く、合格率は95%以上と言われます。講習内容を理解できていれば、難しい試験ではありません。好条件で工場に転職したい方や、給料アップを狙いたい工場勤務の方などは、ぜひフォークリフト免許の取得を検討しましょう。
まとめ
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