高圧ガス製造保安責任者とは?3種類の資格と気になる年収、適性を解説

2023年12月11日更新

高圧ガス製造保安責任者とは?3種類の資格と気になる年収、適性を解説

「高圧ガス製造保安責任者」とは、国家資格の一つで、高圧ガス保安法によって定められています。
高圧ガスは、工場や病院など、様々な場所で使用されています。この資格を取得することで、自分が行える業務の幅が広がり、就職や転職に役立つ資格と言えます。
このコラムでは、高圧ガス製造保安責任者の資格の種類や取得方法、向いている人などについてまとめています。

高圧ガス製造保安責任者とは?

「高圧ガス製造保安責任者」は、高圧ガスを扱うための資格の1つです。この資格を取得すると、高圧ガスを扱う事業所で保安業務を行えます。高圧ガス製造保安責任者には9つの資格があり、取り扱える高圧ガスの種類が異なります。希望する業務に就くために、取得する資格の種類を選びましょう。

高圧ガス製造保安責任者は主に3種類

高圧ガス製造保安責任者の資格には3つの種類があります。

  1. 化学や機械の分野
    • 石油化学やLPガスの製造所、ガソリンスタンドなどで働く際に必要な資格があります。
    • 甲種化学責任者・甲種機械責任者、乙種化学責任者・乙種機械責任者、丙種化学(特別試験科目)責任者、丙種化学(液化石油ガス)責任者があります。
  2. 冷凍機械の分野
    • 冷凍庫やエアコンなどに関する資格です。
    • 第一種冷凍機械責任者、第二種冷凍機械責任者、第三種冷凍責任者があります。
  3. 関連資格
    • 設置工事や取り扱いに関する資格です。
    • ガス主任技術者、特定高圧ガス取扱主任者、液化石油ガス設備士などが関連資格になります。

化学・機械分野の高圧ガスに関する資格6種

ここでは、高圧ガス製造保安責任者の資格のうち、化学および機械の分野に関する6種類の資格について説明します。

甲種化学責任者

甲種化学責任者は、高圧ガス製造所の機械に関する保安業務に携わるための資格です。石油コンビナートなどで働く人たちが必要としています。甲種機械責任者には、保安技術管理者、保安主任者、保安係員、販売主任者、移動管理者、取扱主任者、容器検査主任者の免状があります。これらの免状を持つ人たちは、すべての機械に関する保安業務に携わることができます。

甲種機械責任者

甲種機械責任者の仕事内容は、甲種化学責任者とほぼ同じです。甲種機械責任者の方が合格率は高く、難易度も多少低くなりますが、他の高圧ガス資格の中でも難しい部類に入ります。

試験内容には異なる部分がありますが、資格が活躍できる範囲はほとんど同じです。そのため、化学か機械(物理系)で得意な方を受験することをおすすめします。

乙種化学責任者

乙種化学物質責任者は、上記の甲種と同じ場所で活躍します。取り扱える高圧ガスの種類に制限はありません。資格を取得した場合、保安技術管理者、保安主任者、保安係員などに任命されます。ただし、保安技術管理者の場合は、高圧ガスの処理能力が1日あたり100万立方メートル未満の場合に限られます。100万立方メートル以上の施設の場合、甲種化学物質責任者または甲種機械責任者の資格が必要です。。

乙種機械責任者

乙種機械責任者の仕事内容も、甲種と同じ場所で活躍します。

試験内容は、乙種化学責任者では化学関連が多いのに対し、乙種機械責任者は機械関連が多くなっています。資格が活躍できる範囲はほとんど同じです。

丙種化学(特別試験科目)責任者

丙種化学(特別試験科目)責任者は、石油化学コンビナート、充填事業所、天然ガススタンドなどの製造・充填施設で保安業務を担当するための資格です。彼らは保安技術管理者や保安主任者には就任せず、保安係員としての選任が行われます。規模や高圧ガスの種類に制限はありません。

丙種化学(液化石油ガス)責任者

丙種化学(液化石油ガス)責任者は、LPガスを扱う場所で安全管理をする資格です。LPガス充填所やLPガススタンドなどで活躍します。丙種化学(液化石油ガス)責任者の資格を持つと、LPガスの保安主任者や保安係員に選ばれることができます。施設の大きさに制限はありません。ただし、保安技術管理者になる場合は、LPガスの処理能力が1日に100万立方メートル未満の施設でなければなりません。100万立方メートル以上の施設では、甲種化学責任者または甲種機械責任者の資格が必要です。

冷凍機械分野の高圧ガスに関する資格3種

ここでは、高圧ガス製造保安責任者の資格のうち、冷凍機械分野の高圧ガスに関する資格3種について説明します。

第一種冷凍機械責任者

第一種冷凍機械責任者は、冷凍空調機器を備える施設で保安業務に従事するために必要です。第1種を取得すると、大型の冷凍空調機器がある冷凍倉庫や冷凍冷蔵工場で、製造の保安業務や統括的な業務を行うことができるようになります。

第二種冷凍c責任者

第二種冷凍機械責任者の職務範囲は、1日の冷凍能力が300トン未満の製造施設で保安管理を行うことができます。中型の冷凍空調機械がある施設や冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場などで、保安の実務を含む統括的な業務を行うことが可能です。職務範囲は第一種よりも限定されますが、その分難易度も第一種よりやさしい資格です。

第三種冷凍機械責任者

第三種冷凍機械責任者とは、冷凍機器の設備管理に関する資格であり、数種類ある「高圧ガス製造保安責任者」の1つに含まれます。この資格を取得することにより、1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設において、保安を含む統括的な実務を行うことができます。このため、小規模な施設で現場責任者となるために必要な資格と言えます。

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その他の高圧ガスに関する関連資格3種

ここでは、高圧ガス製造保安責任者の資格以外に、高圧ガスに関する資格について説明します。
これらの資格を組み合わせて取得することで、様々な業務に対応しやすくなるでしょう。

ガス主任技術者

ガス主任技術者は、燃料ガスの製造から供給までの全過程に携わり、ガス工作物の保安と監督に必要な国家資格です。一般家庭で使用される、燃料ガスに携われます。ガス事業者は、法律で事業場ごとにガス主任者を配置することが義務付けられているため、ガス工作物を扱う現場には欠かせない存在です。

特定高圧ガス取扱主任者

特定高圧ガス取扱主任者とは、特定高圧ガスの保安業務に関する知識を測る国家試験です。この資格を持つ人は、主にガス貯蔵所の安全性を確保するために指導を行います。一定量以上の特定高圧ガスを貯蔵し消費する事業所は、必ず有資格者を選任する必要があります。

液化石油ガス設備士

液化石油ガス設備士は、家庭用プロパンやその他のLPガスの供給設備および消費設備の設置工事、および変更工事などを行うための国家資格です。プロパンガスのガス栓と硬質管を接続する配管作業などは危険が伴うため、この業務を行うには資格が必要です。

講習の受講による試験科目の一部免除について

高圧ガス製造保安責任者試験は、上述のとおり分野や難度の違いによって9つに細分化されています。試験科目の一部を免除するためには事前に講習を受ける必要があります。免除される科目は試験の種類によって異なります。

講習の内容は以下の通りです:

  • 講習期間は通常3日間で、1日の講習時間は通常7時間です。
  • 講習費用は一般的に2~3万円程度です。
  • 講習は高圧ガス製造保安責任者試験の準備を支援するための内容をカバーします。

免除の内容は次のようになります:

  • 通常、講習を受けると「保安管理技術」と「学識」の2科目が免除されます。
  • 第三種冷凍機械責任者の場合は、「保安管理技術」のみが免除され、「学識」と「法令」の2科目を受験する必要があります。

高圧ガス製造保安責任者の資格を持っている人が他の種類の試験を受ける場合も、一部科目が免除される可能性がありますので、事前に調べておくとよいでしょう。

高圧ガス製造保安責任者試験の受験の流れ

この記事では、高圧ガス製造保安責任者試験の受験方法を説明します。ただし、講習を受けずに受験する場合は、受験申込みから3科目(第三種冷凍機械は2科目)の試験を受けることになります。講習を受ける場合は、試験科目の一部免除があるので、以下の流れに従ってください。

講習の申込みをする

講習の申し込みは、高圧ガス保安協会のウェブサイトからもしくは、講習を実施する都道府県の冷凍教育検査事務所に問い合わせて申し込みができます。費用を節約したいなら、インターネットでの申し込みがおすすめです。

講習を受けて、検定試験受ける

3日間、1日7時間の講習を受けます。講習内容を正確に理解できたかを確認するために、検定試験があります。第三種冷凍機械責任者免状には「保安管理技術」のみが必要です。この免状を取得するには2つの試験、「保安管理技術」と「学識」の合格が必要です。

講習修了の受け取りと受験

合格すると、講習修了証が送られます。講習修了証は高圧ガス製造保安責任者試験の一部を免除する書類です。申し込みは書面かインターネットで行えますが、インターネットからの方が受験手数料が安くなります。講習修了証を持っている人は、試験科目の一部を免除してもらえます。持っていない人は定められた科目を全て受験する必要があります。

免増の交付申請

試験に合格したら、合格通知を受け取り、免状の交付申請を行います。免状を受け取った後、資格保有者として責任を負うことになりますので、免状の交付申請は忘れずに行いましょう。

高圧ガス製造保安責任者に向いている人、適性は?

高圧ガス製造保安責任者に適した人物像は、以下のような特徴があります。

  • 慎重な性格であり、高圧ガスの取り扱いに対して危険性を認識し、業務に慎重に取り組むことができる人。
  • 注意深く、計器の異常や違和感を見逃さずに対処できる人。
  • 化学や数学に興味や得意があり、高圧ガス製造保安責任者試験の科目である学識に取り組むことができる人。

これらの特徴を持つ人物は、高圧ガス製造保安責任者の役割に適しています。資格取得と安全な取り扱いには、慎重さ、注意深さ、化学・数学の知識が必要です。

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高圧ガス製造保安責任者の給料、年収は?

高圧ガス製造保安責任者の給料や年収は、個人の経験、所属する企業や業界、地域などの要素によって異なります。一般的には400万円以上が相場とされていますが、一概には言えません。

高圧ガス製造保安責任者の資格を複数取得して、経験年数も長ければ、年収が高くなる可能性があります。この資格を取得すれば、工場や病院などで働くことができ、幅広い職場で活躍できるやりがいのある仕事です。

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まとめ

高圧ガス製造保安責任者資格は、様々な施設で使用される高圧ガス設備の安全性を確保するために必要な重要な資格です。キャリアの選択肢を広げるためにも、高圧ガス製造保安責任者の資格取得を目指してみることをおすすめします。

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