電気工事士の資格を取るには?第一種・第二種別に取り方や独学のコツを解説!

2023年12月11日更新

電気工事士の資格を取るには?第一種・第二種別に取り方や独学のコツを解説!

電気工事士は電気に関する知識・技術に精通しており、安全に電気関連の作業ができる有資格者です。工場をはじめとする幅広い職場でニーズのある資格なので、取得している人は就職・転職においてアドバンテージになります。今回は、電気工事士の資格の概要、および資格取得のためのコツや勉強方法などについて解説していきます。

電気工事士とはどんな資格?

電気工事士とは、電気設備の工事および取り扱いをするうえで求められる国家資格の名称であり、この資格を有している人も電気工事士と呼ばれます。

ビルや工場、商店、一般住宅などの電気設備の安全を守るため、法令では、工事内容によっては一定の資格のある人でなければ電気工事をおこなってはならないことが定められています。このような電気工事に携わることができるのが電気工事士です。

電気工事士の資格を取得する年齢層

電気工事士試験は「一般財団法人 電気技術者試験センター」がおこなっています。同センターが公開しているデータによると、電気工事士の資格試験の受験申込者は年齢層が幅広く、10代、20代、30代、40代が同程度の割合で分布しています。学生のうちに電気工事士資格を取得する人もいれば、転職やキャリアアップを目指して取得する人も多くいます。

電気工事士の種類

電気工事士の資格は「第一種」と「第二種」に分かれており、対応できる電気工事の範囲が異なっています。第二種電気工事士は、一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事することができます。第一種電気工事士は、第二種の範囲に加え、最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事することができます。

電気工事士に関連する資格

電気工事士に関連する資格としては、電気主任技術者と電気工事施工管理技士が挙げられます。

▼電気主任技術者
電気主任技術者とは、事業用電気工作物の電気設備に関する工事や運用などの保安監督業務をおこなううえで求められる国家資格です。発電所や変電所、工場やビル、商業施設などの電気設備において、電気安全に関する法令に基づいた運転や点検・管理をおこない、万が一の事故防止に努めるのが電気主任技術者の大きな役割です。

▼電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士とは、建築物や設備の電気工事の施工管理をおこなううえで求められる国家資格です。建築物や設備の電気工事において、国や地方自治体が定める法令や規制に基づいて安全、品質、工期、コストなどを管理するのが電気工事施工管理技士の役割です。

電気工事士の資格を取得するメリット

電気工事士の資格を取得するメリットについてご説明します。

将来性が高くキャリアアップにつながる

電気工事士の資格は将来性の高い資格だと言われます。電気は私たちの生活に欠かせないものであり、それはこれからも変わることはありません。昨今は特に、省エネなどの観点からオール電化の導入も進んでおり、今後ますます需要が高まっていくことが予想されています。電気工事士の資格を取得できれば、将来、着実にキャリアアップしていけるでしょう。

就職・転職に有利になる

電気工事士は転職市場におけるニーズが高く、年間を通して多くの求人情報が出されています。給与・待遇など条件の良い求人も多いため、就職活動・転職活動を有利に進められるでしょう。電気工事会社や建設会社、ビル管理・メンテナンス会社など、会社によっては電気工事士の資格を必須としているケースもあるため、資格を持っていない人に比べると会社選びの選択肢も広がります。

電気工事士の受験資格・条件は?

電気工事士試験の受験資格

電気工事士試験に受験資格はありません。第一種も第二種も、年齢・学歴・実務経験などを問わず誰でも受験することができます。

電気工事士試験の出題内容

電気工事士試験は、第一種、第二種ともに学科試験(筆記試験)と技能試験があります。

▼第二種電気工事士試験
・学科試験
試験内容は以下のとおりです。解答はマークシートに記入(筆記方式)、またはパソコンで解答(CBT方式)する四肢択一方式です。

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  4. 電気工事の施工方法
  5. 一般用電気工作物等の検査方法
  6. 配線図
  7. 一般用電気工作物等の保安に関する法令

・技能試験
試験内容は以下のとおりです。試験は、持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で一定時間内に完成させる方法でおこなわれます。

  1. 電線の接続
  2. 配線工事
  3. 電気機器及び配線器具の設置
  4. 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
  8. 一般用電気工作物等の検査
  9. 一般用電気工作物等の故障箇所の修理

▼第一種電気工事士試験
・学科試験
試験内容は以下のとおりです。解答はマークシートに記入(筆記方式)、またはパソコンで解答(CBT方式)する四肢択一方式です。

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気応用
  4. 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
  5. 電気工事の施工方法
  6. 自家用電気工作物の検査方法
  7. 配線図
  8. 発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
  9. 一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

・技能試験
試験内容は以下のとおりです。試験は、持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で一定時間内に完成させる方法でおこなわれます。

  1. 電線の接続
  2. 配線工事
  3. 電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
  4. 電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
  8. 自家用電気工作物の検査
  9. 自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理

電気工事士試験の日程

▼第二種電気工事士試験
上期・下期の年2回開催です。
・上期(学科試験4〜5月、技能試験7月)
・下期(学科試験9〜10月、技能試験12月)

▼第一種電気工事士試験
年1回開催です(学科試験9〜10月、技能試験12月)。

電気工事士試験の難易度・合格率

▼第二種電気工事士試験
令和4年度の試験における合格率は以下のとおりです。
・学科試験:受験者145,088人/合格者81,179人/合格率55.9%
・技能試験:受験者97,659人/合格者70,888人/合格率72.5%
※参考:試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

直近5年のデータを見ると、学科試験の合格率が50~60%台、技能試験の合格率が60~70%台で推移しています。第一種に比べると難易度が低いため、合格率もやや高めになっています。

▼第一種電気工事士試験
令和4年度の試験における合格率は以下のとおりです。
・学科試験:受験者37,247人/合格者21,686人/合格率58.2%
・技能試験:受験者26,578人/合格者16,672人/合格率62.7%
※参考:試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

直近5年のデータを見ると、学科試験の合格率が40~50%台、技能試験の合格率が60%台で推移しています。第二種に比べると難易度が高いため、合格率もやや低くなっています。

電気工事士の資格取得までに必要な勉強時間の目安

基礎知識の有無など個人差はありますが、電気工事士の試験合格のために必要な勉強時間は以下が目安になるでしょう。

▼第二種電気工事士試験
学科試験と技能試験を合わせて200時間程度の勉強時間が必要だとされています。1日1時間の勉強で6~7ヶ月、1日2時間の勉強で3~4ヶ月というペースです。

▼第一種電気工事士試験
学科試験と技能試験を合わせて300時間程度の勉強時間が必要だとされています。1日1時間の勉強で約10ヶ月、1日2時間の勉強で約5ヶ月というペースです。

電気工事士の資格取得におすすめの勉強方法

電気工事士試験は先に第一種を受けることもできますが、第一種に合格しても3年以上の電気工事の実務経験がないと免状を取得できないので、通常は第二種から受験します。以下では、第二種電気工事士試験の勉強方法についてご説明します。

テキストや過去問に取り組む

まずは、テキスト・参考書で基礎知識をしっかりと叩き込みましょう。ひと通りの基礎知識が身に付いたら、過去問に取り組みます。過去問を解く際は、単純にできた・できなかったということだけでなく、出題傾向や自分の得意分野・苦手分野を把握することが大切です。繰り返し過去問を解くことで、高得点を取るためのコツがつかめてくるでしょう。

講習に参加する

電気工事士試験対策の講習に参加するのもおすすめです。講習は全国各地でおこなわれているほか、オンラインで参加できる講習もあります。テキストや過去問の解説を何度読んでも分からなかったことが、講師の説明を聞くことですんなり理解できるようになることも少なくありません。ただし、講習を受けるだけで合格レベルに達することができるわけではないので、独学では分からない部分や足りない部分を補うという意識で参加するのが良いでしょう。

通信講座を利用する

普段の仕事が忙しい人や効率良く勉強を進めたい人は、通信講座を利用するのが良いでしょう。通信講座では学科試験対策だけでなく、技能試験対策として動画による講義も用意されています。分からないことがあれば質問もできるので、途中で挫折することなく着実に理解を深めていけるでしょう。もちろん、受講するペースを決めるのは自分なので、強い意志を持って計画的に勉強を進めることが大切です。

電気工事士に独学で合格するためのコツ

第二種電気工事士試験に合格するためのコツを、学科試験と技能試験に分けてご説明します。

学科試験

学科試験は幅広い範囲から出題されるため、すべてを完璧にカバーするのは難しいかもしれません。そのため、過去問などでどの分野から多く出題されているかをチェックして、出題頻度の高い分野を優先的に勉強するようにしましょう。また、自分の得意分野を優先的に勉強するのもおすすめです。得意分野から習得していったほうが学習効率が高く、途中で行き詰まることが少なくなります。

技能試験

技能試験では、制限時間内に多くの作業をおこなう必要があるため、手順を把握しておくのはもちろん、無駄なく効率的に進める意識が大切です。実際の現場に近い状況で出題されるため、すでに現場で働いている人は有利になります。仕事中にスピードを意識することで、それがそのまま技能試験対策になるはずです。現場経験がない人は自宅で練習するしかありません。練習を繰り返すことで自分がどの工程・作業で苦戦するのかを把握し、弱点克服に努めていきましょう。また、自分の工具に使い慣れておくことも大切です。

まとめ

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