包装とは?梱包との違いや正しいダンボール梱包方法、お仕事まで徹底解説!
2024年8月21日更新
製造業の求人を見ていると、「梱包」という仕事内容を目にすることがあると思います。
一口に梱包といっても様々な種類がありますが、製造業でいうところの梱包とはどのような仕事内容なのでしょうか。
今回は、工場での梱包作業について詳しく紹介していきます。
そもそも梱包とは?
梱包とは、商品が輸送中に傷ついたり汚れたりしないようにするために、包んで保護し配送するまでの作業のことです。包装と似た意味合いを持っていますが、梱包は荷物をまとめることを指し、包装は外側を保護することを指します。
工場勤務における梱包作業とは、工場で生産された製品や部品などを、出荷や配送のために荷造りする作業です。
包装との違い
包装と梱包は異なる概念です。
包装は物品の輸送や保管だけでなく、販売や消費者への訴求なども目的として行われる包装です。例えば「工業包装」では製品を安全に保管・輸送するために必要な包装が行われます。「商業包装」は商品を魅力的に見せ、消費者に訴求する目的があります。
対して梱包は、商品を運送中の損傷から守るための外部包装のことを指し、輸送過程における安全性を重視します。
つまり、包装は商品自体の保護とマーケティングに、梱包は輸送過程での保護を役割としています。
その他混同しやすい梱包・包装用語
- 個装
個装とは、1つの商品を1つのパッケージに包装する作業を指します。例えば、お菓子の1袋や、文具の1個が入った袋などが該当します。個装は、商品を単品で販売する場合に必要な作業であり、商品を個別に保護し、扱いやすくすることが目的です。 - 内装
内装とは、複数の商品を1つのパッケージに入れる際に、商品同士が接触しないように保護する作業を指します。例えば、食器を入れる段ボール箱にエアキャップなどの緩衝材を敷いたり、衣類を入れる箱に空気を入れて膨らませた包装材を詰めるなどが内装に該当します。内装は、商品を安全に梱包し、輸送中の衝撃や振動から商品を守ることが目的です。 - 外装
外装とは、個装や内装を終えた商品を、最終的な梱包材で包む作業を指します。例えば、段ボール箱に商品を入れて、その箱を更にビニールシートで覆う場合や、大型家電製品を専用のケースに入れて輸送する場合などが該当します。外装は、商品を環境から守り、汚れや損傷を防ぐことが目的です。
以上のように、個装、内装、外装は、それぞれ商品を保護するための段階を指します。これらの段階で適切な包装材を使用し、正確な作業を行うことで、商品の品質や安全性を確保することができます。
梱包方法の種類
梱包には、様々な方法があります。代表的なものを以下に紹介します。
1:ダンボール梱包
ダンボールは、軽量で取り扱いが簡単で、広く普及しています。ただし、重量物には向いていません。ダンボール梱包の場合、商品に合ったサイズのダンボールを選び、適切な緩衝材を使用し、荷詰めに注意し、ダンボールを正しく組み立てることが重要です。
2:真空梱包
真空梱包は、商品を真空状態にすることで、酸化やカビなどの物質変化を防止します。新鮮な食品や薬品など、特定の商品に適しています。また、真空状態にすることで、商品の体積を減らすことができ、輸送費用を抑えることができます。
3:木枠梱包
木材を組み合わせて作られる梱包方法で、重量物の運搬に適しています。木枠梱包は、輸送途中の衝撃を吸収する効果があり、商品を守ることができます。また、梱包自体が頑丈で、繰り返し利用することができます。
4:スチール梱包
鉄鋼製の梱包材料を使用する方法で、重量物の運搬に適しています。スチール梱包は、高耐久性で、大型の重量物を安全に運ぶことができます。また、スチール梱包は耐水性、耐腐食性に優れているため、荷物を長期的に保管することができます。
5:スキッド梱包
荷物を木箱や包装紙で包まずに、スキッドに荷物を乗せて固定する方法です。スキッド梱包の主な用途は重量のある大型の機械部品などです。スキッドの構造は、パレットと異なり、上部のデッキのみで下部のデッキがない為、梱包費用の削減ができます。スキッドに荷物を載せた状態で保管・運搬するので、商品の積み降ろしや運搬が容易で、効率的に行うことができます。
6:バンドル梱包
バンドル梱包とは、同種の製品や商品を束ねて一つのパッケージにまとめることです。鉄材・配管・建築用鋼材など、多少の衝撃では傷つかない製品に向いています。バンドルそのものも鋼など頑丈な素材で出来たものを用います。
7:パレット梱包
スキッド梱包に似ていますが、パレット梱包は、段ボールなどで個装された荷物を、パレット上にひとまとめに積み上げ、固定したものです。パレット梱包は、食品用や工業用など幅広い業界の様々な容器や製品の輸送に適しています。パレット梱包もスキッド梱包同様に、積み降ろし、保管、運搬が容易で効率的に行うことができます。
8:軟梱包
軟包装は、柔らかくて曲げやすい材料を使用した包装方法です。この種の包装は、主にプラスチックフィルム、アルミニウムフォイル、紙などの柔軟な素材で作られています。軟包装の主な特徴はその柔軟性にあり、製品の形に合わせて簡単に変形できるため、さまざまな種類の商品に適しています。
【作業の流れで解説】ダンボールを使った正しい梱包方法
ダンボールを使った正しい梱包作業の流れを解説して行きます。
1:ダンボールの組み立て方
段ボール箱は梱包や運搬に欠かせないものですが、正しく組み立てないと中身が壊れたり、配送時に破損する可能性があります。注意深く組み立てることで、安全に商品を運搬できます。
- 底の組み立て
まず、底を組み立てます。段ボール箱の開口部を上にして、底の折り目に合わせて折り曲げます。底のフラップが外に出ないように注意し、上から折り曲げて固定します。 - 縦の折り目をつける
底を組み立てたら、縦の折り目をつけます。段ボール箱の両サイドにある折り目を中心に、箱の側面を立てます。その後、箱の側面にある縦の折り目をつけます。 - 横の折り目をつける
次に、箱の側面にある横の折り目をつけます。箱のフタ部分を下にして、底の折り目に合わせて折り曲げます。横の折り目をつけたら、底のフラップを中に折り込みます。 - フタの組み立て
最後に、フタを組み立てます。箱の開口部を上にして、フタの折り目に合わせて折り曲げます。フタのフラップを箱の内側に入れ込んで、箱の開口部にはめ込みます。
梱包の強度を高めるためには、「一の字貼り」と「十字貼り」のテープ貼り方法が有効です。
- 一の字貼り:
- 底とフタの継ぎ目に沿ってテープを貼ります。これは、軽量物の梱包に適しています。
- 十字貼り:
- 底とフタの継ぎ目に沿ってテープを貼った後、箱の側面にもテープを貼ります。これは重量物や長期輸送に適しており、強度を高めます。
2:緩衝材の選び方
緩衝材は、選び方を間違えると商品が損傷する可能性があります。適切な緩衝材を選ぶことで、商品を安全に梱包して、配送中に損傷しないようにすることが重要です。
- 耐久性に優れたものを選ぶ
緩衝材には、エアーパッキン、発泡スチロール、クッション材などがありますが、その中でも耐久性に優れたものを選ぶことが重要です。特に、輸送中に予想される衝撃や振動に対応できる緩衝材を選ぶことが大切です。 - 商品に合った厚さを選ぶ
緩衝材の厚さは、商品の大きさや重さに合わせて選ぶ必要があります。商品に合った厚みの緩衝材を使うことで、適切なクッション効果を得られ、商品をしっかりと守ることができます。 - 緩衝材の形状を考慮する
緩衝材には、商品に合わせた形状のものがあります。例えば、球状の緩衝材は、丸い形状の商品に適しています。また、波状の緩衝材は、商品をしっかりと保持し、適度な緩衝効果を発揮することができます。 - 環境に配慮した緩衝材を選ぶ
環境に配慮した緩衝材としては、リサイクル可能なものや、自然素材を使ったものなどがあります。これらの緩衝材を使うことで、環境負荷を抑えることができます。
3:荷詰め
商品を正しく梱包するためには、荷詰めを行う必要があります。商品の形状や重量などに応じて、適切な荷詰め方法を選択する必要があります。荷詰めを行う際には、以下のポイントに注意してください。
- 商品を梱包する前に、緩衝材を適切に配置する。
- 商品をダンボールに入れる前に、ダンボールの底に十分な緩衝材を敷く。
- 商品をダンボールに入れる際には、商品が移動しないように注意する。
- ダンボールの上部にフラップを閉じる前に、ダンボール内部にさらに緩衝材を追加する。
これらのステップを正しく実行することにより、商品を安全に梱包することができます。
梱包に関する仕事について
梱包の仕事は、商品を適切に梱包し、輸送に備える単純作業が中心です。
そのため、専門的な技術や知識を必要とすることはありません。しかし、同じ作業を繰り返すことが多く、高い精度が求められることもあるため、正確さと集中力が求められます。また、商品が損傷しないように、適切に梱包することが求められます。そのため、正確な測定や適切な緩衝材の選定、荷詰めなど、高い精度が求められます。また、梱包材の選定や作業において、環境に配慮した作業が求められることもあります
大きな商品や重い商品を扱う場合には、体力を必要とすることがあり、「きつい」と感じる人もいます。しかし、軽いものを中心に梱包する作業であれば、比較的「楽」な仕事であることが多いようです。事前にどの程度のものを扱う仕事なのかを確認しておくことが大切です。
梱包の仕事の作業内容
以下、梱包作業の内容です。
- 商品の包装および梱包
商品を梱包する際には、商品に合ったサイズの梱包材を選び、適切な緩衝材を使用し、荷詰めに注意し、梱包を正しく組み立てることが必要です。商品によっては、複数の梱包材を使用して保護する必要がある場合もあります。 - 荷物のピッキングおよび梱包
荷物のピッキングとは、商品を倉庫や物流センターなどから一定の基準に従って選び出す作業です。ピッキングされた商品を適切なサイズの梱包材に入れて、適切な緩衝材を使用して梱包することが必要です。荷物のピッキングおよび梱包には、スピードと正確性が求められます。 - パレットの積み付けおよび梱包
パレットとは、荷物を積み重ねるための板状の物です。パレットの積み付けには、一定のルールがあり、荷物の形状や重量に応じて、適切な積み方を選択する必要があります。パレットの上に積まれた荷物には、緩衝材を使用した梱包が必要です。
梱包の仕事のメリット・デメリット
梱包の仕事には、いくつかのメリット・デメリットが存在します。
梱包の仕事を始める際には、メリットやデメリットをよく理解し、自分自身のライフスタイルや将来のキャリアプランに合わせて働き方を選択することが大切です。
メリット
- 経験・学歴不問
梱包の仕事は、専門的な知識や技術を必要としないため、経験や学歴による制限が少なく、未経験者でもチャレンジしやすい仕事と言えます。 - 働き方の選択肢が豊富
梱包の仕事は、フルタイム、パートタイム、アルバイトなど、働き方の選択肢が豊富です。また、短期の仕事も多いため、短期間でお金を稼ぐことができるというメリットがあります。 - 求人数が多い
梱包の仕事は、求人数が比較的多く、仕事を探しやすいというメリットがあります。 - 勤務地が多様
梱包の仕事は、物流倉庫や工場など、勤務地が多様です。また、通勤範囲内の勤務地を選ぶことができるため、通勤時間を短くすることができます。
デメリット
- 体力を必要とする
梱包の仕事は、荷物の運搬や運搬に必要な体力を必要とする場合があります。特に、大きな商品や重い商品を扱う場合には、体力を消耗することがあります。 - 精神的負担がある
梱包の仕事は、作業が単調で同じことを繰り返すことが多いため、ストレスや疲れを感じることがあるというデメリットがあります。 - 短期間の仕事が多い
梱包の仕事は、短期間の仕事が多く、安定した収入を得ることが難しい場合があります。また、短期間の仕事では、社会保険などの福利厚生がない場合が多いため、自己負担が必要となる場合があります。
梱包の仕事に向いている人は?
梱包の仕事は、多くの場合、物流や製造業界で重要な役割を担っています。梱包作業は、製品の安全な移動を保証するために必要な作業であり、正確かつスピーディーな作業が求められます。そのため、以下のような特徴を持つ人に向いていると言えます。
- 細かい作業が得意な人
- 正確さや品質にこだわる人
- スピーディーに作業ができる人
- チームプレイができる人
梱包の仕事に関する体験談
実際に梱包の仕事に携わっている人の体験談を紹介します。
「梱包では正確で迅速な作業が求められるため、うまくこなせるとやりがいや働き甲斐を感じられます。梱包作業はシンプルで自分のペースで進めることができるため、私に向いていました。
ただし、梱包作業には立ち仕事が多いため、体力的に負担がかかることもあるかもしれません。また、部品や製品によって梱包方法が変わることがあるため、作業に応じて都度やりかたを覚える必要があります。」
梱包の仕事で必要なスキル・経験とは?
梱包の仕事に必要なスキルや経験はほとんどありません。基本的には、指示に従って正確に作業を行うことが求められます。ただし、大きな商品や重い商品を扱う場合には、体力や運搬の経験があると有利となります。
梱包の仕事で身につくスキルはある?
梱包の仕事で身につくスキルとしては、荷物の運搬や運搬に必要な体力、正確な作業、環境に配慮した作業などが挙げられます。また、作業が単調で同じことを繰り返すことが多いため、集中力や粘り強さなどのスキルも身につく場合があります。
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まとめ
今回は、梱包と包装の違いや梱包の種類、正しい梱包方法や梱包の仕事の特徴などを紹介しました。
梱包の仕事は、未経験でも始めやすいことが魅力的です。自分に向いているかどうかを考えて、挑戦してみることをおすすめします。
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