はんだ付けの正しい手順は?必要な道具や使い方のコツを解説

2023年12月11日更新

はんだ付けの正しい手順は?必要な道具や使い方のコツを解説

はんだ付けは、さまざまな場所で広く使われています。この記事では、はんだ付けの基本的な仕組みから正しい手順、そして成功するためのコツについて分かりやすく解説します。はんだ付けについて初めての方やはんだ付けに興味がある方には、ぜひ参考にしていただきたい内容です。はんだ付けの世界へ一歩踏み出すための貴重な情報が詰まっていますので、ぜひご覧ください。

はんだ付けとは?その仕組は?

はんだ付けとは、電子部品や配線をつなぐための技術です。電子機器(テレビ、スマートフォン、コンピュータ)、自動車、ロボットなどの製造や修理で使用されています。
具体的には、はんだという特殊な金属を溶かして、電子部品や配線に付けることで、しっかりと接続することができます。
はんだ付けはさまざまな分野で使用されており、非常に重要な技術です。

はんだ付けには何の道具が必要?

はんだ付けを行うには、いくつかの道具が必要です。それぞれの道具が重要な役割を果たしいます。以下では、それぞれの道具を紹介していきます。

はんだごて(はんだこて)

「はんだごて」は、はんだを溶かすための道具です。はんだごてには、電気式とガス式の2種類があります。電気式は電源が必要ですが、ガス式は電源がない場所でも使えます。

はんだごての中には、セラミックヒーターとニクロムヒーターという2つの種類のヒーターがあります。セラミックヒーターは温まるのが早く、電子回路の配線をつなぐのに適しています。ニクロムヒーターは安価で手に入りやすく、家庭用や金属をつなぐときに使われることが多いです。

「はんだごて」は、はんだ付けを成功させるためにとても重要な道具です。

はんだ

はんだは、はんだごてで溶かして使用する特殊な金属です。はんだを加熱すると溶け、部品と配線をつなぐときに使います。

はんだには、主に2種類の種類があり、それぞれ異なる用途に使われています。一つ目は金属同士をつなぐときに使う金属加工用のはんだです。一般金属やアルミニウム、鉛管などに使われます。二つ目は電気や電子回路の配線をつなぐときに使われる電気関連用のはんだです。電気配線やプリント基板、共晶はんだ、高融点はんだ、低融点はんだ、銀入りはんだなどがあります。

はんだの形状には、糸はんだ、はんだペースト、棒はんだなどがありますが、一般的には糸はんだがよく使われます。

こて台(こてだい)

こて台(こてだい)は、はんだごてを安全に置くための台です。はんだごてを使用する際には、熱いこての先端が直接触れることで周囲の物を傷つけたりけがをする恐れがあります。こて台は、そのような事故を防ぐために使われます。

一般的に、こて台は耐熱性のある材料で作られており、はんだごてを置くための専用のスタンドがついています。スタンドには、はんだごてを立てかけるスリットや穴があり、安定した姿勢で置くことができます。

こて台を使うことで、はんだごてを作業中に安全に置くことができます。また、作業が終わったら必ずこて台に置くようにしましょう。こて台ははんだごての安全な使い方を学ぶ上で重要な道具です。

こて先クリーナー


こて先クリーナーは、はんだごての先端をきれいにするための道具です。はんだごてを使ってはんだ付けをすると、先端にはんだのかすや汚れがついてしまいます。これが溜まってしまうと、はんだごてがうまく熱せず、はんだ付けが上手にできなくなってしまいます。

こて先クリーナーは、メタルスポンジや湿ったスポンジなどでできています。はんだごての先端を軽くこすりながら、こて先クリーナーに触れさせることで、汚れや酸化物をきれいに取り除くことができます。すると、はんだごての先端がきれいになり、はんだ付けがスムーズにできるようになります。

こて先クリーナーを使うことで、はんだごてをいつもきれいに保つことができます。作業中や作業終了後に、定期的にこて先クリーナーを使ってお手入れしましょう。そうすることで、はんだ付けの品質を良くし、上手にはんだ付けができるようになります。

はんだ付けの正しい手順は?

続いてはんだ付けの手順について説明します。はんだ付けの正しい手順は、下記の通りです。

1.はんだごての準備

はんだごてを電源に接続し、こて先を適切な温度に設定します。温度ははんだの種類や作業する部品に応じて調整します。こて台に置いて温まるまで待ちます。温度が十分に上がっていないと、失敗する原因にもなります。はんだ付けを上手に行うために、しっかりとこて先が温まったことを確認してから作業に入りましょう。

2.部品と配線の準備

はんだ付けをする部品や配線を適切に配置し、必要に応じてフラックス(ろう剤)を塗布します。フラックスははんだ付け促進剤で、接続箇所を清潔にし、はんだ付けの品質を向上させます。

3.接合部をあたためる

はんだごての熱で接合部(リード線)を3~4秒くらい温めます。

4.はんだを送る

加熱されたこて先を部品と配線の接続箇所に当て、少量のはんだを触れさせます。はんだはこて先の熱で溶け、部品と配線にしっかりと接合します。はんだを使いすぎず、適量で十分な接合が行われるようにしましょう。

5.はんだを離す

はんだが富士山型になったら、先にはんだを離します。
はんだごては、まだ当てたままにしておきます。

6.はんだこてを離す

最後にはんだごてを離します。

7.冷却と固定

はんだ付けが完了したら、はんだを冷まして固まるのを待ちます。はんだが十分に冷えるまで、部品や配線を動かさないように注意しましょう。これにより、安定した接続が確保されます。

8.清掃と仕上げ

はんだ付けが終わったら、はんだごての先端をこて台やこて先クリーナーできれいに拭き取ります。残ったフラックスや余分なはんだを除去し、作業環境を整えます。

はんだ付けのコツは?

はんだ付けを成功させるためには、いくつかのコツがあります。コツを意識しながら、はんだ付けを行うとより正確で信頼性のはんだ付けが可能になります。以下にいくつかのポイントを挙げていきます。

温度の適切な調整

んだごての温度を作業する部品やはんだの種類に合わせて適切に調整しましょう。温度が高すぎると部品や配線がダメージを受ける恐れがあり、低すぎるとはんだ付けがうまくいかないことがあります。

部品と配線の清掃

はんだ付けをする前に部品や配線の表面を清掃し、酸化物や汚れを取り除きます。これにより、はんだの接合が良くなります。フラックスを使って清掃すると効果的です。

適量のはんだの使用

適量のはんだを使用しましょう。多すぎるとはんだが溢れて部品や配線が短絡する恐れがあり、少なすぎると十分な接合が得られないことがあります。

安定した作業環境

はんだ付けをする際には、安定した作業環境を確保しましょう。作業台やクリップを使用して部品や配線を固定することで、正確なはんだ付けができます。

正確な作業姿勢と手の位置

正確なはんだ付けを行うためには、安定した作業姿勢と正確な手の位置が重要です。手を揺らさずにしっかりと部品や配線を押さえ、はんだごてを安定させましょう。

熱すぎる部品の保護

高温のはんだごてを使う際には、熱に敏感な部品を保護するために熱伝導性の高いヒートシンクや熱防護材を使用することがあります。

はんだ付け中によくあるミスとは?

はんだ付けにはいくつかのよくあるミスがあります。以下によく起こるミスをいくつか挙げていきます。

ヤニ付け(やにつけ)

ヤニ付けは、はんだごての先端にヤニ(はんだの酸化物や不純物)が付着する現象です。長時間の使用や適切なメンテナンスが行われない場合に起こります。ヤニ付けが起こると、はんだごての熱の伝わりが悪くなり、はんだ付けの品質や作業効率に影響を与える可能性があります。定期的なこて先クリーナーの使用やメンテナンスが重要です。

目玉はんだ

目玉はんだは、はんだ付けの際にはんだの量が少ないか、または基板のみにはんだがついて、部品の足(リード線)にはんだがつかず、電気が正しく流れない状態を指します。見た目が目玉のようになってしまうので、このように呼ばれています。

目玉はんだが起こる原因は、リード線に十分な熱が伝わっていないことや、リード線が汚れていることがあります。熱が十分に伝わらないと、はんだがうまく溶けず、部品との接合が不完全になります。また、リード線が汚れていると、はんだが正しく付着せず、接続が弱くなります。

いもはんだ

いもはんだは、接合部がしっかりと固定されておらず、少しの衝撃でずれてしまう状態です。これは、はんだの表面張力によって引き起こされます。いもはんだができると、部品や配線に十分な接合が行われず、信頼性の低い接続が生じる可能性があります。適切なはんだ量と適切な加熱時間を調整することで、いもはんだを最小限に抑えることができます。

適量のはんだの使用

はんだの量を適切に調整しないと、接合が十分でなくなることがあります。はんだの量が多すぎると、はんだが溢れてしまい、いらない接続が起こる可能性があります。この問題の一つの原因は、はんだごての温度が高すぎて、はんだが過剰に溶けてしまうことです。はんだの量を少なくすることで、この問題を避けることができます。

一方で、はんだの量が足りない場合には、接合部分の面積が小さくなり、配線の一部が露出してしまう可能性があります。はんだ不足の原因は、熱を均等に与えられない場合や基盤や配線が汚れていることなどが挙げられます。はんだ不足を解消するためには、基盤や配線をきれいにすることや、はんだの量を増やすことが必要です。

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まとめ

このコラムでは、はんだ付けについて、仕組みから必要な道具、手順、コツ、失敗例などを分かりやすく説明しました。はんだ付けは、電子機器や自動車、ロボットなどの製造に欠かせない重要な技術です。この記事で紹介した正しい手順とコツを参考にして、はんだ付けを楽しんでみてください。

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