自動車の部品工場の仕事内容とは?作業環境や働くメリット、収入などを解説

2022年12月1日更新

ライン作業ってキツイの?

自動車は非常に多くの部品で構成されており、1つの車両で2万個~3万個の部品が使われていると言われています。それらの部品を製造しているのが自動車部品工場であり、工場の仕事のなかでも安定した求人ニーズがあります。今回は、自動車部品工場の主な仕事内容や働くメリット、収入などについて解説していきます。

目次

自動車製造の流れ

自動車部品工場の仕事内容を理解する前提として、自動車製造の流れを把握しておきましょう。自動車は一般的に、以下のような工程で製造されています。

①プレス
自動車の骨格となるボディをつくる工程です。鉄板を切断し、プレス加工によって床板やルーフ、ボンネットやドアなど、各パーツの形に成形していきます。

②溶接
プレス加工された各パーツを溶接します。

③塗装
防錆処理をしたうえで、自動車を美しく仕上げるために塗装をおこないます。

④艤装(ぎそう)組み立て
ヘッドライトやメーターなど、運転に不可欠な部品を取り付けます。

⑤組み立て
エンジンなどの主要パーツをつくる工程です。鉄を溶かして型に流し込み、エンジンの原型をつくります(鋳造:ちゅうぞう)。また、熱でやわらかくした鉄をプレスして、エンジン回りや足回りの部品をつくります(鍛造:たんぞう)。鋳造・鍛造した部品を加工してエンジンを組み立てます。

⑥エンジン組み付け
エンジンをボディに組み付けます。

⑦最終組み立て
足回りの部品やハンドル、シートなどを取り付けます。

⑧検査
ブレーキや排ガス、水漏れなど、1,000項目以上にわたる検査をおこない、すべてに合格した自動車が出荷されます。

自動車部品工場の仕事内容とは?

自動車部品工場は、自動車を構成する部品をつくる工場です。自動車部品工場でつくられた部品は、トヨタや日産などの自動車メーカーが購入し、組み立てることで自動車として完成させます。自動車を構成する部品は1台あたり2万個~3万個と非常に多く、それだけ多くの自動車部品工場があります。東京商工リサーチによると、日本の自動車部品メーカーの数は5,849社となっています。

自動車部品工場の仕事内容は「どんな部品をつくっているのか」によって変わってきますが、一般的には以下のような仕事がメインになります。

加工

機械や工具を使って部品を加工する仕事です。ドアやバンパーなどの金属部品をつくるプレス加工、溶接機を使って材料を結合させる溶接加工、ワイヤー状の材料をカットする切断加工、電子部品と電子回路を接合するはんだ付け加工など、どんな部品をつくるかによって加工方法も変わってきます。

組み立て

図面に従って部品を組み立てる仕事です。はめ込むだけの部品もあれば、特殊な器具を使って固定する部品もあります。また、自動車の部品はサイズも様々で、大型で重い部品などは複数人で組み立てるものもありますし、小型の部品であれば繊細に扱うことが求められます。

検査

完成した部品を確認して、「不良品はないか?」「傷や汚れはないか?」など、品質のチェックをする仕事です。目視による検査、顕微鏡を使った検査、自動装置を使った検査など様々な方法で検査をおこないます。不具合を見逃してしまうとリコールなどの問題に発展する可能性もあるため、最後の工程として非常に重要な仕事だと言えます。

納品

検査をクリアした部品を自動車工場に納品します。部品供給の工程で採用されているのが、「ジャスト・イン・タイム方式」というシステムです。ジャスト・イン・タイム方式とは、自動車の生産ペースに合わせて必要な部品を、必要な数だけ、必要なときに届けるシステムのことです。これにより、部品不足によって生産が滞るリスクを防ぐとともに、部品の供給過多によって在庫を抱えるリスクを防いでいます。

ジャスト・イン・タイム方式は、1954年にトヨタが開発した生産管理システムですが、現在では自動車業界だけでなく、あらゆる製造業において当たり前のシステムになっています。

自動車部品工場の労働環境とは?

自動車部品工場の仕事は、いわゆる「3K(きつい・汚い・危険)」と呼ばれた時代もありましたが、それはもう昔の話です。近年は、各工場が労働環境の改善を進めており、女性でも長く働ける工場が増えています。特に、大手の自動車部品工場は働き方改革に力を入れているため、従業員は快適な環境でワークライフバランスを大切にしながら働くことができます。

機械の安全性も高まっており、現在ではケガを負うような危険な仕事はほとんどなくなっています。また、作業マニュアルが整備されているので、未経験の人でも安心して働くことができるでしょう。

自動車部品工場で働くメリットとは?

自動車部品工場で働くメリットとしてよく言われるのが以下の3点です。

自動車部品工場は比較的給料が高い

様々な業種の工場があるなかで、自動車部品工場は比較的給料の水準が高いのが特徴です。必要な資格を取得している人には資格手当が、夜勤で働く人には深夜手当が支給されるので、さらに高収入が期待できます。また、派遣社員としてキャリアをスタートした人が正社員登用されて、キャリアアップ・収入アップするケースもあります。

自動車部品工場は福利厚生が充実している

自動車部品工場は、満期慰労金や食事手当などの福利厚生が充実しています。多くの自動車部品工場が寮を完備しているのも大きなメリットだと言えるでしょう。寮は通常、敷金・礼金が要らないので、まとまったお金がなくても引っ越すことができます。また、月々の寮費も賃貸に比べると格段に安く、なかには寮費が無料のところもあります。

自動車部品工場は業務がマニュアル化されている

自動車部品工場は、誰が作業をしても品質やスピードが変わらないように、業務が細かくマニュアル化されているのが特徴です。そのため、未経験の人でも仕事を覚えやすく、安定したパフォーマンスを発揮することができます。

自動車の部品工場は大変?求められることとは?

自動車部品工場で働く人に求められることについてご説明します。

長時間、集中力をキープすること

自動車部品工場の仕事は、基本的に同じ作業を繰り返しおこないます。難しい作業は少ないものの、正確さや注意深さは重要になってきます。同じ作業を正確に繰り返すためには、集中力が欠かせません。長時間、集中力をキープできるかどうかは、自動車部品工場で働くうえで重要な能力だと言えるでしょう。

ラインのスピードに合わせて動くこと

自動車部品工場では、製造ラインのスピードに合わせて動くことが求められます。製造ラインでは次々と部品が流れてくるため、スピードについていけない人がいると次の工程が遅延して、結果的に生産性が低下してしまいます。特に、就業当初はラインのスピードに慣れるのが大変だと感じる人もいるでしょう。

自動車部品工場の収入(年収・月給・時給)とは?

求人情報専門検索エンジンの「Indeed(インディード)」によると、「自動車部品製造」の平均給与は以下のとおりです。

・時給:1,344円

・日給:16,792円

・月給:271,110円

・年収:3,829,146円

また、自動車部品製造のなかでも給与(時給)が高いエリアは以下のとおりです。

・愛知県安城市:1,762円

・愛知県西尾市:1,572円

・愛知県岡崎市:1,497円

・愛知県豊田市:1,467円

・三重県四日市市:1,383円

・広島県東広島市:1,362円

※参考:日本での自動車部品製造の給与|求人情報専門検索エンジンindeed(2022年11月16日現在)

自動車部品工場で求められる資格・免許とは?

自動車部品工場で働くうえで必須の資格・免許はなく、特別な資格を取得していなくても就業可能です。とはいえ、工場によっては以下のような資格を保有していることで有利になることもあります。

危険物取扱者

危険物取扱者は、消防法に基づく危険物を取り扱ったり、その取り扱いに立ち会ったりするために必要になる国家資格です。取得していると、自動車部品工場での仕事の幅が広がることがあります。

フォークリフト運転免許(フォークリフト技能講習修了証)

自動車部品工場によっては、人力では運ぶことができない重量物などをフォークリフトに積んで運ぶ仕事もあります。そのような工場では、フォークリフト運転免許を持っている人は優遇されるでしょう。

溶接の資格

溶接をおこなう自動車部品工場では、溶接の資格を持っていると有利になるでしょう。溶接の資格は様々な種類があり、溶接の種類によって分類されています。たとえば、国家資格では「アーク溶接作業者」「ガス溶接技能者」「ボイラー溶接士」など、民間資格では「溶接技能者」「アルミニウム溶接技能者」「ステンレス鋼溶接技能者」などがあります。

プレス金型取替作業者

プレス金型取替作業者とは、動カプレスの金型などの取付け・取外し、または調整に関する業務能力を認定する資格です。金型やシャーの刃物などの交換・調整を安全におこなうために必要な資格であり、プレス金型取替作業者が重宝される自動車部品工場も多々あります。

自動車部品工場に向いている人とは?

以下のような人は自動車部品工場での勤務に向いていると言えるでしょう。

部品や機械に興味がある人

自動車に興味がある人はもちろんですが、部品や機械に興味がある人にとっても自動車部品工場は魅力的な職場になるはずです。「部品が好きで、素材や性能が気になってしまう」「機械の構造に興味があり、つい分解したくなる」といった方なら、やりがいを感じながら楽しく働くことができるでしょう。

正確性・確実性を追求できる人

自動車を構成する部品に欠陥があると、リコールの原因になるだけでなく、最悪の場合は人の命さえも奪ってしまう可能性があります。ミスや誤差をなくすためには、作業者の正確性や確実性が重要になってきます。人の命を預かっているという意識を持ち、丁寧で確実な仕事ができる人は自動車部品工場に向いていると言えるでしょう。

縁の下の力持ちタイプの人

自動車の部品は、あくまでも自動車の一部であり、それほど人目に触れるものではありませんし、部品そのものが脚光を浴びることも少ないでしょう。自動車部品工場で働く人は「裏方」として、自動車メーカーやドライバーを支える存在です。その意味で、目立ちたい人より、縁の下の力持ちとしてコツコツと自分の役割を果たせる人が適しています。コミュニケーションが苦手でも、職人気質の人なら十分に活躍できるでしょう。

体力に自信のある人

自動車部品工場によりますが、任されるポジションによっては立ちっぱなしで仕事をする場合もありますし、工場内を動き回って仕事をする場合もあります。連勤が長くなると疲れも溜まってきます。その意味で、体力に自信のある人のほうが様々な工場・ポジションで活躍できると言えるでしょう。

収入アップを狙いたい人

上述のとおり、製造業のなかでも自動車部品工場は比較的給料の水準が高いのが特徴です。そのため、収入を重視する人にも向いています。「とにかく稼ぎたい」という人は、大手の自動車部品工場にチャレンジしたり、夜勤中心の働き方にしたりするのが良いでしょう。

自動車部品工場の今後

今、自動車業界は「CASE」(※)と呼ばれる大変革期を迎えています。

※次世代の自動車像のことで、「Connected:コネクティッド」「Autonomous/Automated:自動化」「Shared:シェアリング」「Electric:電動化」の頭文字をとった造語

このなかでも「Electric:電動化」のインパクトは大きく、これまで当たり前だったエンジンやトランスミッションがモーターとバッテリーに置き換わることで、自動車部品工場も大きな影響を受けることになります。自動車部品工場がEV化の波を乗り越えていくためには、取扱部品を増やす・変えるなどの事業転換が重要になってくるでしょう。

国も、自動車部品工場への支援をスタートしています。経済産業省は、自動車のEV化にともなって需要の減少が見込まれる自動車部品(エンジン、トランスミッションなど)のサプライヤーが「電動車部品の製造に転換する」「軽量化などの技術適応に挑戦する」といった攻めの業態転換・事業再構築を支援するための相談窓口を設けています。

EV化の波に乗れるかどうかで、自動車部品工場の未来は大きく変わってくるでしょう。

自動車部品工場で働くなら「ジョブ派遣」で決まり!

自動車部品工場への派遣就業をお考えの方は、ぜひ「ジョブ派遣」をご活用ください。ジョブ派遣は、製造派遣社員を中心に、様々な形態のお仕事情報を掲載しています。自動車部品工場のお仕事もコンスタントにご紹介しています。

>> 自動車部品製造の派遣求人はこちら

自動車部品メーカーと言えば、真っ先に名前が挙がるのが「デンソー」です。デンソーは自動車部品業界で国内ナンバーワン、世界でも第2位というメガカンパニーです。ジョブ派遣では、デンソーグループの求人も数多くご紹介しています。

>> デンソーグループ特集はこちら

まとめ

先日、QuickWorkが「自動車部品メーカーが多い都道府県ランキング」を発表しました。売上1億円以上の自動車部品メーカー143社を対象とした調査で、上位7位は以下のようになっています。

1位:愛知県(46社)

2位:静岡県(14社)

3位:埼玉県(8社)

4位:神奈川県(7社)、広島県(7社)、福岡県(7社)

5位:長野県(6社)

6位:三重県(5社)

7位:岐阜県(4社)、大阪府(4社)

引っ越しも視野に入れて自動車部品工場を探している方は、このようなデータを参考にしてみるのも良いのではないでしょうか。

※参考:自動車部品メーカーが多い都道府県ランキング|QuickWork

banner banner
この記事を読んだ方に
\オススメの求人はこちら/
                                                                                                                       求人情報をもっと見る