食品工場の仕事はきつい?理由、やりがい、収入、向いている人の特徴を紹介

2024年8月21日更新

食品工場の仕事のやりがい・きつい点について 仕事内容・環境・収入も紹介

食品工場の仕事は、性別・年齢を問わず人気がある仕事です。特に、食べるのが好きな人や料理をするのが好きな人にとっては気になる仕事ではないでしょうか。今回は、食品工場の仕事内容や職場環境、食品工場で働くやりがいやメリット、食品工場に向いている人などについて解説していきます。

食品工場とは?

食品工場は文字どおり、食品を製造・加工する工場です。ひと言で食品工場と言っても、取り扱っている商品によって業務内容は変わってきます。主な商品としては、パンやお弁当・お惣菜、冷凍食品などが挙げられます。食品工場ではこれらの商品を製造・加工して、スーパーやコンビニなどに出荷しています。おせち料理や恵方巻き、クリスマスのケーキやチキンなど、期間限定の求人が多いのも食品工場の特徴です。なお、食品工場で働くために調理師免許などは必要なく、初心者、未経験者でも仕事に就くことができます。

食品工場の職場環境について

食品工場は、異物混入や食中毒などの食品事故を防ぎ、食の安全を守るために衛生管理が徹底されています。髪の毛一本でも混入すると大きなクレームに発展することがあるため、専用の衣服や帽子、マスク、手袋などを着用し、エアシャワーや消毒をおこなったうえで作業を始めます。スタッフに毎月の検便が求められるのも食品工場の特徴です。

食品工場での仕事は基本的に屋内作業で冷暖房が完備していますが、食材が傷まないよう、室温が低めに設定されているのが一般的です。夏場は快適に働けますが、冬場は防寒対策が必要になるでしょう。なお、冷凍食品を扱う食品工場では氷点下の倉庫内で作業をすることもあります。逆に、揚げ物を扱う食品工場は油の熱気で室温が上がるため、夏場は大変だという声も聞かれます。

食品工場も含めた工場勤務のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

>> 工場勤務のメリット・デメリット 仕事内容や給料もご紹介

食品工場の仕事内容

食品工場の仕事内容は、一般的には以下のような作業が中心になります。

・仕込み
調理に入る前に、野菜や魚、肉などを同じ大きさに切り分けたり、規定の分量に仕分けたりする仕事です。

・加工
ベルトコンベアで運ばれてきた食材を加工する仕事です。たとえば、フライに衣を付けたり、パン生地にツヤ出しの卵を塗ったりします。

・調理
レシピに則って調理をする工程です。たとえば、揚げ物をしたり、パンを焼いたり、ハンバーグを作ったりします。

・盛り付け
弁当の容器にごはんやおかずを詰めたり、ケーキにトッピングを盛り付けたりする仕事です。

・検品
目視によって、または専用の測定器を使って、「不良品はないか?」「品質に問題はないか?」をチェックする仕事です。

・梱包・袋詰め
商品に蓋をしたり、袋やパッケージに詰めたりする仕事です。表示シールを貼る作業も含まれます。

また、食品工場の仕事内容は取り扱っている商品によって変わってきます。パン工場、弁当工場、冷凍食品工場を例に主な仕事内容をご紹介します。

パン工場の仕事内容

菓子パン、総菜パン、サンドイッチなど、どんなパンを作っているのかによって仕事内容は変わってきますが、基本的にはベルトコンベア上での流れ作業です。ベルトコンベアで流れてきたパン生地を成形したり、具材をトッピングしたり、バターやマヨネーズを塗ったり、異物混入がないか検品したり、焼き上がったパンを袋詰めしたりする作業などがあります。

弁当工場の仕事内容

弁当工場での仕事は、仕込み → 調理・加工 → 盛り付け → 検品 → 包装 → 出荷の流れで進んでいくのが一般的です。仕込みの工程は材料を洗ったり切ったりする仕事や、調味料を作ったりする仕事があります。調理の工程は、味付けをする、焼く、揚げる、煮るなどの作業が中心になります。

冷凍食品工場の仕事内容

冷凍食品工場では、原材料の選別や成形、重量調整をしたり、農産物の皮むき、種子の除去、カット、ブランチング(軽い湯通し)などの前処理をしたり、凍結するために食品をブロックまたはバラの状態でトレイに載せたりする仕事があります。冷凍保管後は、出荷指示に従って商品を搬出・出荷します。

食品工場における正社員とアルバイト・パートの仕事内容

食品工場での正社員とアルバイト・パートの仕事内容には大きな違いがあります。正社員は生産ライン全体の管理を含む幅広い業務を担当するのに対し、アルバイトやパートは特定の作業を主に行います。以下にその違いを表形式で示します。

項目正社員アルバイト・パート
作業範囲生産工程全てを担当作業過程の一部を担当
管理業務生産数管理、シフト調整、役割振り分け等なし
機械操作機械操作あり通常はなし
改善提案効率化提案等ありなし

正社員は、生産数の管理や従業員のシフト調整、作業役割の振り分け、在庫管理などの管理業務を行うことがあります。また、機械操作を行ったり、作業効率化のための改善提案をすることも期待されます。

一方で、アルバイトやパートは、主に指定された特定の作業を行い、慣れてきたら作業範囲が増えることもありますが、通常は管理業務や機械操作、改善提案は行いません。

このように、食品工場における正社員とアルバイト・パートの間には、業務の範囲や責任に明確な違いが存在します。

食品工場のきつい点・つらい点とは?

ルーティン作業がほとんど

食品工場の仕事は、ライン作業などのルーティンワークが大半です。毎日、同じ作業を繰り返すことで飽きてきて、徐々にやりがいを感じなくなってしまう人もいるようです。

立ち仕事がメイン

食品工場は立ち仕事が中心で、担当する工程によっては、勤務時間中ほとんど移動せずに同じ場所で立ったまま仕事をするケースもあります。立ち仕事が苦手な方は、つらいと感じることもあるようです。

食品のニオイがある

食品工場は清潔できれいな職場ではありますが、食品・食材を扱うがゆえに、どうしてもニオイがあります。多くの人は徐々に慣れていきますが、ニオイに敏感な人は気分が悪くなってしまうこともあるようです。特に、自分が嫌いな食べ物のニオイはつらいものがあるでしょう。

給与水準が低め

食品工場は、他の工場に比べると給与水準が低めだと言われます。とはいえ、大手の食品工場などは好待遇の求人も多いため、タイミングによっては条件の良い求人を見つけることも可能です。

身だしなみのルールが厳しい

食品工場は女性も働きやすい職場ですが、異物混入や品質不良を防ぐために、化粧やピアス、ネイルやつけまつげなどが禁止されていることがほとんどです。身だしなみのルールが厳しいことをデメリットと感じる人もいるでしょう。

専門的な知識・スキルは習得できない

食品工場の仕事はマニュアル化された単純作業であり、日々の仕事から専門的な知識・スキルを習得するのは難しいものがあります。もちろん、食品管理や衛生管理の知識は家庭などで活かせますが、他の業界への転職を考えるときは苦労するかもしれません。

繁忙期の残業が原因できつい

食品工場の勤務は、特に繁忙期に残業が増える傾向にあります。季節によっては、注文が急増することで突然の人手不足が発生し、短時間の残業が必要になります。しかし、これは一時的なもので、通常時の残業は少ないです。残業を避けたい場合は、需要が安定している食品を扱う工場を選ぶことが望ましいでしょう。

休日が取りづらいことがストレスの原因

24時間体制の食品工場ではシフトが不規則で、連休を取ることが難しいです。特定の時期は、商品の売れ行きがよく休みが取りづらくなることもありますが、休み希望が比較的通りやすい職場も多くあります。適切な計画と有給休暇の活用で、必要な休日は確保可能です。

人間関係のストレスがきつさの一因

多様な雇用形態が混在する食品工場では、人間関係が複雑になることがあります。合わない人との関係に悩むこともありますが、仕事体験を通じて職場の雰囲気を事前に知ることができるので、求人選びには体験見学を利用するのが良いでしょう。

厳しい作業環境による身体的負担

食品工場の作業環境は、低温や高温といった過酷な条件下での作業が求められることがあります。寒い冷凍庫や熱い厨房は体への負担が大きいです。適切な服装や水分補給で対策は可能ですが、自身の体調や適性を考慮して職場を選ぶことが重要です。

食品工場のやりがい・メリットとは?

自分に合った時間で働ける

食品工場で働いているのはほとんどが派遣社員やパート・アルバイトで、シフト制で回っているのが通常です。希望のシフトを提出して勤務日程を決めるため、自分に合った時間帯で働くことができます。急に都合が悪くなったりしたときも、同僚でシフトを交代してくれる人が見つかれば、プライベートを優先することもできます。

食品に関する福利厚生が充実している

食品工場は、新商品を試食できたり、社食が充実していたり、商品を割引価格で購入できたり、出荷できない商品をもらえたりと、食に関する福利厚生や特典が充実しているところが少なくありません。食事は毎日のことなので、家計の助けにもなるでしょう。

携わった商品が店頭に並ぶ喜びがある

食品工場で働くやりがいとしてよく言われるのが、自分が製造に携わった商品がスーパーやコンビニの店頭に並ぶことです。買い物に出かけたときなどに自分が携わった商品を目にすると、多くの人に貢献できていることを実感できるでしょう。

清潔でクリーンな環境で働ける

食品工場は衛生管理が徹底されており、職場は清潔です。他の工場勤務に比べ、クリーンな環境で働けるのは食品工場の魅力の一つだと言えるでしょう。

食品工場の収入(年収・月給・時給)はどのくらい?

求人情報専門検索エンジンのIndeed(インディード)によると、日本の「食品製造」の平均給与は以下のとおりです。

  • 年収:3,283,502円
  • 月収:232,478円
  • 時給:1,151円

※参考:日本での食品製造の平均給与|求人情報専門検索エンジンindeed(2023年1月20日更新)

また、日本の「食品加工スタッフ」の平均給与は以下のとおりです。

  • 年収:3,155,506円
  • 月収:223,415円
  • 時給:1,108円

※参考:日本での食品加工スタッフの平均給与|求人情報専門検索エンジンindeed(2023年1月20日更新)

就業形態別の給料(正社員、派遣社員、パート・アルバイト)

カカクコムが運営する求人に特化した検索エンジン「求人ボックス」によると、「食品工場」の正社員の平均年収は357万円となっています。また、派遣社員の平均時給は1,197円、アルバイト・パートの平均時給は1,004円となっています。

※参考:食品工場の仕事の平均年収は357万円/平均時給は1,004円!|求人ボックス(2023年1月4日更新)

食品工場の仕事に向いている人

単純作業にやりがいを見いだせる人

食品工場の仕事は、ベルトコンベアで流れてくる材料を同じ大きさに切ったり、マニュアルに従って調理をしたり、盛り付けや袋詰めをしたりする単純作業が中心です。このような単純作業に対して、「どうしたらもっとスピードアップできるのか?」「効率化するにはどうすればいいか?」などと改善意識を持ち、やりがいを見いだせる人は食品工場の仕事に向いていると言えます。

周囲と会話せず、黙々と仕事をしたい人

食品工場は衛生管理の点から、勤務中の私語が禁止されているところがほとんどです。周囲とのコミュニケーションをとる機会が少ないため、黙々と仕事をしたい人や、プライベートな話をするのが苦手な人は食品工場の仕事に向いていると言えるでしょう。

立ち仕事が苦にならない人

食品工場は立ち仕事が中心です。そのため、「立ちっぱなしでも大丈夫」という人は問題なく働けるでしょう。デスクワークに比べると消費カロリーが多いので、「ダイエットをしたい」という人にも向いています。逆に「立ちっぱなしだと体力的にしんどい」という人や、足腰に不安のある人は食品工場には向きません。

食品工場で働くために必要な資格・スキルは?

食品工場で働く際に必要になる資格はありません。工場には、食品衛生管理者や食品衛生責任者の有資格者を置く必要がありますが、すでに有資格者がいるはずなので、新しく入ってくる人に資格が求められることはありません。

スキルに関しても必須のものはありませんが、強いて言うなら、作業の正確性とスピードでしょう。食品工場では均一の商品を大量生産することが求められるため、正確性に欠ける人や仕事が遅い人は苦労をする可能性があります。また、厳格な衛生管理がおこなわれている職場なので、ある程度は衛生管理の知識があったほうが良いでしょう。

まとめ

ジョブ派遣は、派遣会社(株式会社日輪)が運営している求人サイトで、製造業・派遣社員のお仕事を中心にご紹介しています。独自の研修をご用意していますので、工場での仕事が初めての方も安心してご応募いただけます。食品工場の派遣求人もご紹介していますので、ぜひ自分に合ったお仕事を見つけてください。

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執筆・編集

株式会社日輪コンテンツ編集チーム
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