中型免許の取得費用はどれくらいかかる?条件や方法、補助金までわかりやすく解説!
2024年8月21日更新
中型自動車免許は、より大きな車両の運転が可能となるための重要なステップです。この免許を取得することで、職業選択の幅が広がり、運転技術の向上も図れます。しかし、免許取得のためには、条件や費用、取得方法の理解が不可欠です。補助金制度の活用方法から教習所での通学や合宿、さらには一発試験の受験まで、中型自動車免許取得の全容に迫ります。
このコラムでは、中型免許の種類、取得するメリット、教習所を利用する方法、費用を抑えるためのアドバイス、そして免許取得後のキャリア展開についても詳しく解説していきます。
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そもそも中型免許とは?
中型免許は、2004年に道路交通法が一部改正されたことで誕生した免許制度です。大型の車両を運転するための免許で、普通自動車や軽自動車よりも大きく重い車を運転することができます。
普通免許 | 中型免許 | 大型免許 | |
---|---|---|---|
自動車の種類 | 普通自動車 | 中型自動車 | 大型自動車 |
車両総重量 | 5トン未満 | 5トン以上11トン未満 | 11トン以上 |
最大積載量 | 3トン未満 | 3トン以上6.5トン未満 | 6.5トン以上 |
乗車定員 | 10人以下 | 11人以上29人以下 | 30人以上 |
自動車教習所などで利用される送迎バスや、マイクロバスなど乗車定員11人~29人までに設定されている小型のバスが中型自動車に該当します。
車検証を確認して車両総重量、最大積載量、乗車定員の数値がどれか1つでも上記の値を超えていると中型自動車免許では運転できません。
中型免許を取得することで、物流や運輸、建設業界などで働くことができるようになります。たとえば、トラック運転手や建設機械のオペレーターなどの職業があります。
中型免許を取得するには、適性検査や運転技能試験を受ける必要があります。また、教習所での講習を受けることが必要で、費用や期間は教習所によって異なります。
中型免許の種類は?
中型免許は、自動車と自動二輪車の運転に関して、それぞれ異なる種類があります。
自動車の中型免許
自動車の中型免許には、現行の道路交通法に基づいて2つの種類があります。それぞれの免許の特徴と取得条件について説明します。
期間 | 3.5t未満 | 5t未満 | 7.5t未満 | 8t未満 | 11t未満 | 11t以上 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017年3月12日以降 | 普通免許 | 準中型免許 | 準中型免許 | 中型免許 | 中型免許 | 大型免許 |
準中型免許
- 運転できる車両: 総重量3.5トン以上7.5トン未満、最大積載量2トン以上4.5トン未満、乗車定員10人以下の車両を運転できます。
- 年齢と経験条件: 18歳以上で取得可能です。
- 取得条件: 普通免許や大型特殊免許を取得していることが前提となります。
この免許は、2007年に道路交通法が改正され、普通免許と大型免許の間に新設されたものです。中型車両を運転できるようになるため、物流業界などでの需要が高いです。
中型免許
- 運転できる車両: 総重量5トン以上11トン未満、最大積載量3トン以上6.5トン未満、乗車定員11人以上29人以下の車両を運転できます。
- 年齢と経験条件: 20歳以上で、普通免許または準中型免許、大型特殊免許の取得後2年以上の経験が必要です。
- 取得条件: 前述の免許取得と経験が必要です。
自動二輪車の中型免許
自動二輪車の中型免許は、一般的に「普通自動二輪車免許」と呼ばれています。この免許は、排気量400cc未満のバイクを運転できる免許です。以下に、普通自動二輪車免許の特徴と取得条件について説明します。
普通自動二輪車免許
- 運転できる車両: 排気量400cc未満の自動二輪車(バイク)を運転できます。なお、排気量125cc以下の小型二輪車も運転できます。
- 年齢条件: 16歳以上で取得可能です。
- 取得条件: 特に事前の免許取得経験や自動車免許の保持は必要ありません。
中型免許を取得するメリットは?
中型免許を取得することで、以下のようなメリットがあります。
- 高収入・高待遇の仕事が多い:トラック運転手や建設機械のオペレーターなど、中型免許を持った人材の需要が高い職種があります。特に、需要と供給のバランスがとれていない地域では、高収入・高待遇の求人が多く、転職にも有利です。
- 広い範囲で活躍できる:中型免許を持つことで、普通自動車や軽自動車では乗り入れができないような場所や、長距離運転ができるようになります。そのため、配送や運送、建設現場など、幅広い分野で活躍することができます。
- 自由な働き方ができる:中型免許を持つことで、自家用車として中型トラックを所有し、個人事業主として働くこともできます。また、ジョブ派遣など、働き方も多岐にわたり、自分に合った働き方が選べます。
- スキルアップや自己成長につながる:中型免許を取得することで、自分自身のスキルアップや自己成長につながります。また、中型免許は大型免許や特殊免許の取得に必要となることもあるため、将来的なキャリアアップにもつながります。
中型免許を取得することで、様々なメリットがあるため、注目される免許の一つと言えます。
中型自動車免許の取得条件・取得方法
中型自動車免許を取得するにはどのような条件が必要でしょうか?このセクションでは、中型自動車免許を取得するために必要な要件について解説します。
中型自動車免許の取得には、年齢や健康状態、既に保持している免許の種類や経歴など、一定の条件が定められています。具体的には、以下の要件を満たしている必要があります。
条件 | 内容 |
---|---|
年齢 | 20歳以上 |
免許経歴 | 普通免許、準中型免許、または大型特殊免許を取得して、そのいずれかを受けていた期間が通算して2年以上あること |
視力 | 両眼で0.8以上、かつ、一眼でそれぞれ0.5以上であること |
色彩識別能力 | 赤・青・黄色を識別できること |
深視力 | 三桿法の奥行知覚検査器により3回検査し、その平均誤差が2cm以下であること(眼鏡等使用可) |
聴力 | 両耳の聴力が10mの距離で、90dBの警音器の音が聞こえるものであること(補聴器により補われた聴力を含む) |
運動能力 | 自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害がないこと。自動車等の運転に支障を及ぼす恐れのある四肢又は体幹の障害があるが、その者の身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより自動車等の運転に支障を及ぼす恐れが無いと認められるものであること |
普通自動車免許が満18歳で受験できるのに対し、中型免許の受験資格は20歳以上となっています。
さらに、普通自動車免許・大型特殊免許のいずれかを取得し、免許取得から2年以上の運転経歴を持つこと、または中型8トン限定免許の保有が条件になります。
中型自動車免許の取得方法には、自動車教習所での通常の通学コースや合宿免許、または運転免許試験場での直接受験という選択肢があります。教習所では費用が高めですが、合格率が高く、総合的なサポートが受けられる一方、試験場での受験は比較的低コストですが、自己負担で練習車両や指導者を手配する必要があります。さらに、試験の難易度が高く、多くの場合は複数回の受験が必要になることもあります。
既存の普通自動車免許を持っている方はステップアップとして、また大型自動車免許を持っている方はダウングレードとして、中型免許を取得する道があります。現在の免許と運転経験に応じて、最適な取得方法を選ぶことが推奨されます。
中型自動車免許取得の方法1:教習所(通学)
教習所(通学)は、中型自動車免許を取得するための一般的な方法です。教習所に定期的に通い、指定された講習時間数以上の教習を受け、最後に中型自動車免許の試験に合格します。ここでは、教習所(通学)で中型免許を取得する際の期間や費用相場、注意点について解説します。
教習所に通学して中型免許を取得するメリット
教習所に通学して中型免許を取得するメリットは、自分の予定に合わせてスケジュールを柔軟に調整できるため、忙しい時期や仕事や学業の都合に合わせて免許取得ができます。また、時間の制約がないため、自分のペースで学習を進めることができます。さらに、地域密着の教習所ならではの指導も受けられます。地元の道路事情や試験ルートに精通しているため、実際の道路状況に即した運転スキルを身につけることができます。
教習所に通学して中型免許を取得する際の平均期間
教習所に通学して中型免許を取得する際に必要な受講時間は、保有する免許によって異なります。
保有する免許 | 受講時間 |
---|---|
普通自動車免許(AT限定) | 16時間 |
普通自動車免許(MT) | 13時間 |
5t限定準中型免許(AT限定) | 13時間 |
5t限定準中型免許(MT) | 10時間 |
準中型免許 | 7.5時間 |
また、通学の場合は通勤時間やスケジュール調整なども考慮する必要があります。
教習所に通学して中型免許を取得する際の費用相場
以下の表は、教習所での中型免許取得費用の一般的な相場を示したものです。
免許区分 | 取得費用相場 |
---|---|
普通自動車免許 | 17万円〜24万円程度 |
5t限定準中型自動車免許 | 14万円〜20万円程度 |
準中型自動車免許 | 12万円〜18万円程度 |
※費用相場は教習所によって異なるため、参考程度にご確認ください。
教習所に通学して中型免許を取得する際の注意点
教習所に通学して中型免許を取得する際の注意点として、必要な費用や期間、教習所の評判などを事前に調べることが大切です。教習所に通学する期間中は、指定された期間内に教習を受けることが必要であり、教官のレベルや指導内容が異なる場合もあります。交通費や宿泊費もかかる場合があるため、予算を考慮して通学プランを選び、自分に合った教習所を選ぶことが大切です。
中型自動車免許取得の方法2:教習所(合宿)
中型自動車免許の取得方法のひとつとして、教習所の合宿を利用する方法があります。ここでは、教習所の合宿で中型免許を取得する方法や注意点について解説します。
教習所の合宿で中型免許を取得するメリット
教習所の合宿で中型免許を取得するメリットは、短期間での免許取得と低コスト化です。合宿免許では集中的な教習期間を設けることで、効率的に免許取得を目指すことができます。また、費用面でも通学に比べて割安で取得できる点が魅力です。合宿費用には教習料金のほか、宿泊費や交通費補助、追加保証などが含まれており、トータルで見た場合の経済的なメリットがあります。
教習所の合宿で中型免許取得する際の平均期間
教習所の合宿で中型免許を取得する際の平均期間は、約8日~11日程度です。通常の通学に比べて短い期間で、効率的に免許を取得できます。
教習所の合宿で中型免許を取得する際の費用相場
以下の表は、教習所の合宿での中型免許取得費用の一般的な相場を示したものです。教習所によって費用が異なるため、参考程度にご覧ください。
免許区分 | 取得費用相場 |
---|---|
普通自動車免許 | 17万円〜24万円程度 |
5t限定準中型自動車免許 | 7万円〜15万円程度 |
準中型自動車免許 | 13万円〜25万円程度 |
※費用相場は教習所によって異なるため、参考程度にご確認ください。
教習所によっては、宿泊費や食事代が含まれている場合があるため、費用相場を比較する際には教習所のサービス内容も確認しておくことが大切です。
教習所の合宿で中型免許を取得する際の注意点
教習所の合宿で中型免許を取得する際の注意点としては、以下のようなものがあります。
- 合宿期間中はタイトにスケジュールが組まれているため、体力的にも精神的にも負荷がかかることがある。
- 一般道や高速道路などでの運転経験が少ない場合、合宿期間が終わった後に単独で車を運転する際に、自信が持てないことがある。
- 合宿期間中に病気や怪我をしてしまうと、免許取得が遅れる可能性があるため、事前に健康状態を確認しておくことが大切。
これらの注意点を踏まえ、自分に合った教習所を選び、中型免許を取得することが大切です。
中型自動車免許取得の方法3:一発試験
中型自動車免許を取得する方法として、教習所での通学や合宿の他に、一発試験があります。一発試験とは、運転免許試験場に行き技能試験に合格して免許を取得する方法です。以下は一発試験で中型自動車免許を取得するための条件や費用、注意点です。
一発試験で中型免許を取得するための条件
- 準中型免許、普通免許、または大型特殊免許をすでに取得している方
- 上記のいずれかの免許を取得していた期間(免許の効力が停止されていた期間を除く)が通算2年以上の方
- 身体障害等によって運転に支障がないこと。
一発試験で中型免許を取得するための費用
運転免許試験場で一発試験を受ける際の費用は一般的に3~4万円ほどです。
仮免許受験の場合:手数料5,500円(試験手数料2,900円、交付手数料1,150円、試験車使用料1,450円)
本免許受験の場合:手数料:8,650円(受験料4,100円、試験車使用料2,500円、免許証交付料2,050円)
再試験の場合は、その都度受験料、試験車使用料がかかります。
技能試験合格後、取得時講習受講料(22,000円)を受講をすると運転免許証が交付されます。
一発試験で中型免許を取得する際の注意点
一発免許はたしかに安い費用で免許を取得できるように見えますが、実際には合格率が低く、何度も再受験を繰り返した為に試験費用が重なったり、結局は指定教習所へ通うことになったりするかもしれません。自動車運転に慣れている人や自信のある人向けの取得方法ともいえるでしょう。
中型免許を取得する際の選び方とは?
中型自動車免許を取得するには、様々な方法があります。しかし、どの方法を選択するかは、自分にとって最適な方法を選ぶことが重要です。以下は、中型免許を取得する際に選ぶべきポイントについてまとめたものです。
- 費用を重視する場合
一発試験がおすすめです。一発試験は、教習所に通学する必要がなく、試験料のみで免許を取得できるため、比較的安価に中型免許を取得することができます。 - 生活とのバランスを優先する場合
教習所に通学する方法がおすすめです。自分の都合に合わせて教習のスケジュールを調整することができるため、仕事や学業との両立がしやすく、自分のペースで学習することができます。 - 職業などで緊急性がある場合
教習所の合宿を選択する方法もあります。合宿は、通常の教習所に通学する方法よりも期間が短く、効率よく免許を取得できるため、急ぎの場合には選択肢の一つになります。
また、教習所を選ぶ際には、運転技術を確実に身につけるためには、教習所のレベルや教官の質が重要です。複数の教習所を比較検討することで、自分に合った教習所を見つけることが大切です。
中型免許取得の費用を抑えるなら補助金の活用がおすすめ
中型免許取得にかかった費用の一部を補助金としてもらうことができる制度があります。「教育訓練給付金制度」という制度を上手に理用しましょう。
「教育訓練給金制度」とは?
中型免許を取得するためには、高い教習費用や試験費用がかかることが多く、負担が大きいと感じるかもしれません。しかし、そんな方に朗報です!教育訓練給金制度を利用することで、中型免許取得にかかる費用の一部を補助してもらえるのです。
教育訓練給金制度は、働く方々の能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定や就職の促進を目的としています。その一環として、中型免許取得にも利用できます。
「教育訓練給金制度」の概要
制度を利用するには、以下の条件があります。
- 1年以上雇用保険に加入していること
- 前職から1年以内に離職したこと
- 過去に教育訓練給金制度を利用したことがある場合は、前回の助成金を受けてから3年以上経過していること
補助金の上限は、教習費用の20%で、最大で10万円まで支給されます。ただし、教習費用には入学金や受講料のみが含まれており、その他の費用は含まれません。
「教育訓練給金制度」の申請方法
教育訓練給付金を受け取るためには、以下の手続きが必要です。
- ハローワークに申請し、必要書類を提出
- 教習所に入校前に「教育訓練給付金支給要件照会票」を提出し、本人確認書類と雇用保険被保険者証を準備
- 教習を受講後、教習終了証明書と領収書を受け取り
- ハローワークに給付金の申請を行い、1カ月以内に給付金が交付される
講座終了日の翌日から1カ月以内に申請期限があるため、手続きは忘れずに行いましょう。
「教育訓練給金制度」の注意点
教育訓練給金制度は中型免許取得の負担軽減に役立つ制度ですが、以下の点に注意が必要です。
- 検定試験に合格できなかった場合、支払いが増える可能性がある。
- 免許合宿に伴う宿泊費や交通費は給付金の対象外。
- 虚偽の届け出や不正行為が発覚した場合、支払いが増える可能性がある。また、被保険者期間のカウントがされなくなり、一定期間は給付金制度を利用できなくなる可能性もある。
正確な情報を提供し、適切に手続きを行うことで、費用の負担を軽減しながら中型免許の取得を目指しましょう。
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まとめ
中型自動車免許を取得するメリットや取得方法、費用相場、補助金の活用方法など、中型免許に関する情報を分かりやすく解説しました。自分に合った方法で中型免許を取得し、高収入やキャリアアップを目指しませんか?
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