玉掛けの資格取得を徹底解説!技能講習や仕事内容についてもご紹介
2024年8月29日更新
玉掛け免許は、重量物を吊る作業を安全に行うために必要な国家資格です。その取得期間、費用、試験内容など、玉掛け免許に関する全てを本記事で徹底解説します。
クレーン運転者資格との違いについてなど、より広範な情報をご紹介していきます。
玉掛けとは何か?知っておきたい基本知識
玉掛けとは、重量物の吊り上げ、移動、吊り下げを安全に行うための作業方法です。
街中を歩いているときなどに、建設現場で建材などを大きなクレーンが持ち上げている光景を目にしたことがある人も多いかと思います。
工場や工事現場で使われるクレーンにはワイヤーがついており、荷物を移動する際クレーンで吊り下げる前にフックに荷物を付けて準備をする際の作業を指します。
また、実際に荷を吊して運ぶクレーンへの合図動作も含めて玉掛作業と呼ばれます。
玉掛けは国家資格!
玉掛けの資格は、国家資格です。この資格を取得することで、玉掛け作業の技術的な知識と作業の基本的な方法を理解し、安全に作業を行う能力が認められます。
国家資格ではありますが、合格率は95%と取得しやすい資格です。
資格を取得することで、つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリック、揚貨装置による玉掛作業に従事することが出来るようになります。製造業や建設業など、クレーンを使用する現場への転職の際には保有が有利に働くでしょう。
玉掛けの資格の正式名称は「玉掛け技能講習修了」です。実技講習を修了すると資格が付与されます。
最大吊り上げ荷重1トン未満のもののみ扱える資格には「玉掛け特別教育修了」があり、こちらは10時間ほどの履修で修了することができます。
18歳以上であれば誰でも取得することができますが、つり荷の上げ下ろしや着地時の事故が多く、作業には安全への配慮が必要とされます。
また、他のクレーン等の免許を既に持っている場合は受講科目が免除を受けることができます。
収入アップを求めた転職時のポイント! |
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玉掛け免許は活用の場が広く存在し、転職の際には大きなアドバンテージになります。 |
玉掛けの実際の作業手順は?
玉掛け作業はクレーンやホイストを使用して重い物を吊り上げる際に、安全に荷を掛けたり、外したりする重要な作業です。以下に、一般的な玉掛けの具体的な作業手順を記載します。
1. 作業前の準備
- 現場の確認: 作業現場の状況を確認し、障害物や危険箇所がないかをチェックします。
- 機材の点検: クレーンやホイスト、吊り具の点検を行い、異常がないか確認します。
- 荷の確認: 吊り上げる荷の重さや形状を確認し、適切な吊り具を選定します。
2. 吊り具の取り付け
- 吊り位置の確認: 荷のバランスを考慮し、吊り上げるための最適な位置を決定します。
- 吊り具の装着: 吊り具を荷にしっかりと取り付けます。この際、荷がずれないように注意します。
- 安全確認: 吊り具がしっかりと固定されていることを確認します。必要に応じて補助具を使用します。
3. 吊り上げ作業
- 試し吊り: 少しだけ荷を持ち上げ、吊り具や荷のバランスを確認します。
- 吊り上げ: ゆっくりと荷を持ち上げます。急に動かすと荷が揺れる危険があるため、慎重に操作します。
- 移動: 荷を指定の場所まで安全に移動させます。この際、周囲の人や物に注意します。
4. 荷の下ろし
- 位置の確認: 荷を下ろす位置を再確認し、安全を確保します。
- ゆっくりと下ろす: 荷をゆっくりと下ろし、指定の場所に正確に配置します。
- 吊り具の取り外し: 荷が安定したことを確認し、吊り具を慎重に取り外します。
5. 作業後の確認
- 点検: 使用した吊り具や機材の点検を行い、異常がないか確認します。
- 報告: 作業終了後、必要な報告を行い、次の作業に備えます。
玉掛け作業は、荷のバランスや安全性を常に考慮しながら行うことが重要です。適切な準備と慎重な操作を心がけることで、事故を防ぎ、安全に作業を進めることができます。
玉掛けの資格取得は「技能講習」と「特別講習」の2種類!
玉掛けの資格を取得するためには、「技能講習」または「特別講習」のいずれかの講習を受講し、その後試験に合格する必要があります。
講習の時間と値段は所有資格や実務経験、教習所によって異なりますが、以下に大まかな目安をまとめました。
学科講習時間 | 実技講習時間 | 合計日数 | 値段 | |
---|---|---|---|---|
技能講習 | 18時間 | 12時間 | 3日 | 40,000円 |
特別講習 | 6時間 | 4時間 | 2日 | 20,000円 |
受講を検討される方は、教習所の公式情報をご確認ください。
玉掛け資格の講習の具体的な内容と免除項目
玉掛け技能講習の内容
学科 | ・クレーン、移動式クレーン、デリック及び揚貨装置に関する知識:1時間 ・クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識:1時間 ・クレーン等の玉掛けの方法:2時間 ・関係法令:1時間 |
実技 | ・クレーン等の玉掛け:3時間 ・クレーン等の運転のための合図:1時間 |
玉掛け特別講習の内容
学科 | ・クレーン等に関する知識:1時間 ・クレーン等の玉掛けの方法:7時間 ・クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識:3時間 ・関係法令:1時間 |
実技 | ・クレーン等の玉掛け:6時間 ・クレーン等の運転のための合図:1時間 |
所有する資格によって免除される科目
所有資格 | 免除される科目 |
移動式クレーンまたはクレーン・デリック運転士免許(旧クレーン運転士免許・デリック運転士免許)、揚貨装置運転士免許取得者 | クレーン等の玉掛に必要な力学に関する知識 |
小型移動式クレーン運転技能講習または床上操作式クレーン運転技能講習修了者 | クレーン等の運転の合図 |
玉掛け資格の取得の流れ
①受講の申し込み
玉掛け資格の申し込みは、まず各都道府県の労働局登録教習機関(クレーン協会や教習所、労働技能講習センターなど)に受験申込書を送付します。
その後、受講の手続きを行い、講習を受けます。
②試験会場
申込をした際に送付される資料を参考に、試験会場に向かってください。
試験会場はお住いの地域によって異なり、また学科試験と実技試験の会場が異なる場合がありますので、気を付けましょう。
玉掛け資格の取得難易度は?
玉掛け資格の取得難易度は個々の受講者の知識や経験によりますが、合格率は95%程度であるというデータがあり、しっかり講習を受けて臨めば難易度はそれほど高くありません。
理論試験では、荷役作業の基本知識や安全に関するルールについての理解が問われます。ここでは主に法令や安全に関する一般的な知識、具体的な操作方法や作業手順に関する知識が必要となります。
一方、実技試験では、実際にクレーンやチェーンブロックを使った荷役作業の技術を見せることが求められます。この部分では、正確かつ安全な作業ができることが必要となります。
玉掛け試験の合格率は、一般にはかなり高いとされています。これは、資格取得のための講習が十分に行われ、受講者が試験に臨むまでに必要な知識と技術を習得できるようになっているからです。
しかし、受験会場や試験監督によって合否判定のさじ加減が異なることがありますので、入念な対策が必要です。
18歳以上で玉掛けの業務に従事したい人はだれでも取得ができるため、ぜひチャレンジしてみてください!
玉掛け資格は普通免許なしでも取得可能!
玉掛け資格は、特殊な訓練を受けた上で、試験に合格することで取得することができます。この資格を取得するためには、特に普通自動車運転免許などの前提資格は必要ありません。つまり、一般的な運転免許を持っていない人でも、必要な教育・訓練を受けて試験に合格すれば、玉掛けの資格を取得することが可能です。
運転免許がなくても、玉掛け資格を持っているだけで仕事の幅が広がりますよ。
玉掛け資格を取得するメリット
玉掛け資格を取得することには、多くのメリットがあります。安全性の向上がその一つです。玉掛け資格を持つことで、安全に荷を吊り上げる技術と知識を習得でき、作業現場での事故を防ぎ、自身や周囲の人々の安全を確保することができます。
また、就職や転職に有利になります。多くの建設現場や工場で玉掛け資格が必要とされているため、この資格を持っていることで職を得る機会が広がります。特に建設業や製造業では、玉掛け資格を持つ人材が重宝されます。
さらに、資格を持つことで賃金アップの可能性もあります。業務の幅が広がり、責任ある仕事を任されることが増え、これにより賃金のアップや昇進の機会が増える可能性があります。
最後に、自信とスキルの向上が挙げられます。資格取得を通じて得た知識と技術は、自分自身のスキルアップにつながります。これにより、仕事に対する自信が増し、効率的かつ安全に作業を行えるようになります。
玉掛け資格と一緒にクレーン資格も!
玉掛けはクレーン作業で使用する技術のため、クレーン資格も一緒に持っておくと転職やキャリアアップの際とても有利です。
・クレーン・デリック運転士免許
・移動式クレーン運転士免許
・床上操作式クレーン運転技能講習修了者資格
・小型移動式クレーン運転技能講習修了者資格
・クレーン運転業務特別教育
収入アップを求めた転職時のポイント! |
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資格や実務経験があればよりお仕事選びがしやすくなりますが、未経験の場合でも採用をする職場も多く存在します。 |
玉掛け作業者はどのような人が向いている?
玉掛け作業者には、慎重で細かい作業が得意な人が向いています。高い集中力と注意力が必要であり、安全意識が高いことが求められます。また、重い荷物を扱うため、体力があることも重要です。チームでの作業が多いため、協調性も大切な要素となります。
玉掛け作業者のキャリア詳細について
玉掛け作業者のキャリアは、建設業や製造業を中心に広がります。経験を積むことで、現場のリーダーや管理職に昇進することも可能です。資格を活かして、専門性を高めたキャリアパスが期待できます。
玉掛け作業者の主な就職・転職先はどこ?
玉掛け作業者の主な就職・転職先は、建設業界や製造業界です。特に、建設現場ではクレーンやホイストを使用するため、玉掛け作業者の需要が高いです。また、製造業でも大型機械や設備の設置・移動に関わる作業が多く、玉掛け作業者が求められます。さらに、物流業界でも重い荷物の取り扱いに必要とされることがあります。
玉掛け作業者の年収はどれくらい?
玉掛け作業者の年収は、経験や勤務地、企業規模によって異なりますが、平均的には300万円から450万円程度です。初任給は比較的低めですが、経験を積むことで昇給が期待できます。また、資格を活かして専門的なスキルを持つ作業者として評価されることで、さらに高い収入を得ることが可能です。加えて、危険手当や残業手当が支給される場合もあり、これらが年収に上乗せされることもあります。
玉掛け作業者でキャリアアップはできる?
玉掛け作業者は、経験を積むことでキャリアアップが可能です。現場での経験を活かし、現場監督や管理職へと昇進する道があります。また、他の建設機械やクレーンの操作資格を取得することで、さらに専門性を高めることができ、キャリアの幅が広がります。資格を持つことで、より責任あるポジションや高収入の職種に就くチャンスが増えます。
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まとめ
玉掛け資格は、重量物の吊り上げ、移動、吊り下げを行う玉掛け作業の安全性を確保するための重要な国家資格です。試験の難易度は中程度ですが、しっかりと講習を受けて学習すれば、合格は十分可能です。また、普通自動車運転免許など他の免許を持っていなくても取得可能です。さらに、玉掛け資格と一緒にクレーン運転者資格を取得することで、より広範囲の作業を行うことができますよ。
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