ハローワークで失業保険を申請する条件は?手続きやいつからもらえるかも解説!

2024年8月21日更新

ハローワークで失業保険の申請ができる人の条件とは?受給の条件・申請方法を解説!

仕事を辞めて失業保険の基本手当を受け取りたいけれど、手続き方法が分からない方も多いでしょう。失業保険の申請は、ハローワークで行います。このコラムでは、自身が失業保険の申請を行えるかどうかや必要な書類などについて詳しく解説していきます。

失業保険とは?

失業保険(雇用保険)は、雇用されていた人が失業した際に、生活の安定と再就職を支援するための制度です。
この保険制度は、労働者が働いている間に雇用主と労働者の両方が保険料を納めることで運用されています。具体的には、失業時に基本手当として給付が支給されるほか、職業訓練や就職活動支援などのサービスも提供されます。給付を受けるためには、一定の条件を満たす必要があり、これには雇用期間、雇用保険の加入期間、自己都合または会社都合での退職などが含まれます。

失業保険と雇用保険とは何が違うの?

失業保険と雇用保険は、実際には同じ制度を指していますが、呼び名に違いがあります。
通常、「雇用保険」という言葉は、労働者が働いている間に加入する保険全般を指し、これには失業時の給付だけでなく、労働者のスキルアップを支援する職業訓練や就職活動支援などが含まれます。一方で、「失業保険」という言葉は、この雇用保険制度の中でも特に、失業した際に支払われる給付(基本手当)に焦点を当てた際に使われることが多いです。つまり、失業保険は雇用保険制度の一部であり、具体的に失業時の経済的支援を指すための呼称です。

失業保険の申請ができる人の条件とは?

失業保険の基本手当(失業手当)を受け取るためには、ハローワークが定める「失業の状態」に該当する必要があります。この「失業の状態」とは、次のような状況を指します:「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない」という状態です。

ですから、退職してすぐに転職を希望する人や、就職する意思がない人、怪我や病気、妊娠・出産によってすぐに就職が難しい人などは、失業手当を受けることができません。

ただし、失業の状態にある人全員が自動的に失業手当を受給できるわけではありません。失業手当を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。まず、失業前の勤務先で雇用保険に加入していることが必要です。そして、離職の理由が自己都合か会社都合かによって、適用される条件が異なります。以下では、それぞれの条件について説明していきます。

失業状態であること

失業保険を申請する基本的な前提条件は、申請者が「失業状態」にあることです。これは、申請者が自己の意志によらず仕事を失い、かつ、すぐに働く意志と能力がありながらも職がない状態を指します。具体的には、完全な無職状態である必要があり、部分的な就労や自営業を営んでいる場合はこの条件を満たさないと見なされることがあります。

求職活動の実績があること

失業保険の給付を受けるためには、求職活動を行っている実績が必要です。これには、ハローワークでの職業相談や求人応募、職業訓練への参加などが含まれます。申請者は、これらの活動を定期的に行い、その記録をハローワークに提出することが求められます。この活動は、申請者が積極的に再就職を目指していることを証明するために重要です。

一定の雇用保険の被保険者期間があること

失業保険の給付を受けるためには、雇用保険の被保険者として一定期間以上加入していることが必要です。具体的には、過去2年間において、12ヶ月以上雇用保険に加入していたことが要求されます。この期間は、申請者が雇用保険の保護を受けるための基本的な資格期間として設定されており、これを満たしていない場合は失業保険の給付を受けることができません。

離職の理由が自己都合の場合(一般退職者)

一般退職者とは、自らの意思によって勤務先を退職した人のことを指します。例えば、新しいキャリアの追求や個人的な事情により、現在の職場を離れる決断を下した人が一般退職者です。

一般退職者が失業手当を受け取るためには、「離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が合計して12カ月以上あること」が必要条件です。

多くの一般的な転職の場合、この条件に当てはまります。前職で一定期間雇用保険に加入していたことが必要です。

ただし、退職時に自分の意思に反する正当な理由(例えば、病気や家族の介護など)がある場合には、特定理由離職者として認められるケースがあります。特定理由離職者の場合は、次に説明する条件が適用されることになります。

離職の特定の理由で自己都合の場合(特定理由退職者)

特定理由退職者とは、自己都合による退職でも、自分の意思に反する正当な理由がある場合に認められます。例えば、病気や家族の介護などで退職した人のことを指します。

特定理由退職者は、以下のような状況で該当する場合があります:

  • 疾病やケガにより、現在の職場での労働が困難な状態になった場合
  • 配偶者や親などの家族が重篤な病気や怪我をしたため、介護やサポートをする必要がある場合
  • 配偶者の転勤や赴任に伴い、自身の就職が困難になった場合
  • 子供の出産や育児のため、現在の職場に復帰することが難しい場合
  • 有期労働契約の更新を希望したが、認められず離職した場合
  • 企業の人員整理などで、希望退職者の募集に応じて離職した場合

特定理由退職者が失業手当を受け取るためには、「離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間が合計して6カ月以上あること」が必要条件です。

離職の理由が会社都合の場合(特定受給退職者)

失業保険の申請条件の中で、離職の理由が会社都合の場合、申請者は「特定受給資格者」と呼ばれます。

特定受給資格者には、以下のような状況で該当する場合があります:

  • 企業の業績不振による人員削減や経営上の理由による解雇
  • 事業の再編成や合併・吸収による雇用の変化
  • 労働条件の大幅な変更に対する拒否による解雇

特定受給資格者が失業手当を受け取るためには、「離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間が合計して6カ月以上あること」が必要条件です。

参考:厚生労働省資料

失業保険が支給される受給期間は?

失業手当(失業保険の基本手当)は、離職後にハローワークで所定の手続きをすることで受給できます。しかし、手続き後すぐにもらえるわけでありません。まず、失業保険の申請後、最初の7日間は「待期期間」と呼ばれ、この期間中は失業手当は支給されません。

「一般退職者」の場合、待期期間の後にさらに2〜3カ月の「給付制限期間」があります。この期間中は失業手当を受けることができません。ただし、「会社都合退職者」や正当な理由による「特定理由退職者」の場合は、7日間の待期期間後から支給が開始されます。実際に手当が振り込まれるのは申請から約1カ月ほどかかります。

具体的な支給日数は、離職の理由や被保険期間などによって異なります。一般的な給付日数は、以下の通りです。

自己都合退職などの場合(定年退職、契約期間満了、自己都合退職)

被保険者期間
10年未満10年以上20年未満20年以上
65歳未満90日120日150日

会社都合退職などの場合(特定受給資格者、一部の特定理由離職者)

被保険者期間
1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
離職時の年齢30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

失業手当の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間となっています。申請が遅れた為に、給付金が満額もらえなかったとならないよう、申請は早めにすることをおすすめします。

申請期間や給付日数は個別の状況や特例によって異なる場合があります。具体的な支給日数については、ハローワークや厚生労働省のホームページなどでご確認ください。

失業保険の申請でもらえる金額はいくら?

失業手当の具体的な金額は、個人の被保険期間や収入に基づいて計算されます。具体的には「給付日数×基本手当日額」で決まります。「基本手当日額」とは、失業手当(失業保険の基本手当)の一日あたりの支給額を指します。これは、被保険者期間や直近の給与などを基にして計算されます。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

基本手当日額 = 賃金日額(退職前6カ月の賃金合計÷180) × 給付率(50~80%)

「基本手当日額」と「賃金日額」には、それぞれ離職時の年齢によって上限額と下限額が設定されています。

上限額・下限額を踏まえた年齢別の基本手当日額の目安は以下のとおりです。

離職時29歳以下

賃金日額給付率基本手当日額
2,657円以上5,030円未満80%2,125円~4,023円
5,030円以上12,380円未満50%~80%4,024円~6,190円
12,380円以上13,670円未満50%6,190円~6,835円
13,670円(上限)~6,835円(上限)

離職時30歳~44歳

賃金日額給付率基本手当日額
2,657円以上5,030円未満80%2,125円~4,023円
5,030円以上12,380円未満50%~80%4,024円~6,190円
12,380円以上15,190円未満50%6,190円~7,595円
15,190円(上限)~7,595円(上限)

離職時45歳~59歳

賃金日額給付率基本手当日額
2,657円以上5,030円未満80%2,125円~4,023円
5,030円以上12,380円未満50%~80%4,024円~6,190円
12,380円以上16,710円未満50%6,190円~8,355円
16,710円(上限)~8,355円(上限)

離職時60歳~64歳

賃金日額給付率基本手当日額
2,657円以上5,030円未満80%2,125円~4,023円
5,030円以上11,120円未満45%~80%4,024円~5,004円
11,120円以上15,950円未満45%5,004円~7,177円
15,950円(上限)~7,177円(上限)

上記の「基本手当日額」にそれぞれの条件に応じた給付日数をかけると、失業手当の受給額が分かります。

《例》28歳の会社員(月給28万円/6年勤務)一般退職者の場合

基本手当日額×給付日数=受給額
5,828円×90日=524,520円

一般退職者の場合、7日間の待期期間と2~3カ月の給付制限後から給付が開始され、そこから3カ月かけて約52万円が受給できるということです。

受給金額を正確に知りたい方は管轄のハローワークに問い合わせしましょう。

失業保険の申請に必要なものは?

雇用保険被保険者離職票(1)(2)

雇用保険被保険者離職票は、労働者が雇用を終了した際に雇用主から交付される重要な書類であり、失業保険の申請に必要です。離職票には「離職票(1):被保険者資格喪失届」と「離職票(2):被保険者離職証明書」があります。

  • 被保険者資格喪失届: これはハローワークに提出するためのもので、労働者の雇用期間、賃金、離職理由などが記載されています。この書類は、失業保険の受給資格や給付額の計算に使用されます。
  • 被保険者離職証明書: 労働者に渡される離職票で、個人が保管する必要があります。これにも離職に関する詳細が記載されており、将来的な再就職やその他の社会保障手続きで参照する場合があります。

離職票は、雇用保険の加入期間が継続していたか、及び適切な給付を受けるための基礎データとして機能します。雇用を終了する際には、これらの書類が正確に記載され、適時に交付されることが重要です。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入している労働者に発行される証明書で、雇用保険手続きや失業保険申請時に必要です。保険番号や加入履歴が記載されています。

その他必要なもの

  • 個人番号確認書類(いずれか1種類)マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書):申請者の住所や氏名、生年月日などの基本情報を含んだいずれかの公的な書類が必要です。住民票は、自分の住んでいる市区町村の役場や支所で発行してもらえます。
  • 身元(実在)確認書類((1)のうちいずれか1種類((1)の書類をお持ちでない方は、(2)のうち異なる2種類(コピー不可))(1)運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)など(2)公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など
  • 写真(最近の写真、正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)2枚 ※ 本手続及びこれに続き今後行う支給申請ごとに個人番号カード(マイナンバーカード)を提示することで省略が可能です。
  • 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード(一部指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は可能です。):失業手当の支給は通常、指定の銀行口座に振り込まれます

失業保険の申請の手続きの流れ

失業保険の申請手続きは以下の通りです。

1.ハローワークへの登録

失業保険の受給を希望する場合、必要な書類を持って、住居を管轄するハローワーク(公共職業安定所)へ行き「求職の申込み」、「受給資格決定」の手続きをします。

受給要件を満たしていることを確認した上で、受給資格の決定を行ないます。このときに、離職理由についても判定します。

必要書類を提出したこの日が「受給資格決定日」となり、この日から7日間は「待期期間」となり失業手当は受給できません。

受給資格の決定後、受給説明会の日時が決定されます。

2.受給説明会への参加

指定の日時に開催されますので、必ず出席しなければいけません。この時に第一回目の「失業認定日」がわかります。

3.失業認定日にハローワークへ行く

業保険認定日とは、ハローワークで失業していることを確認してもらう日のことです。失業認定申請書の提出だけでなく、求人活動の状況や健康状態の確認も行われます。初回の失業認定日は、失業保険の受給資格決定から約3週間後です。失業認定日は4週間に1回のペースで設定されており、やむを得ない事情がない限り変更できません。

4.失業手当の受給

失業手当は、失業認定日から通常5営業日後(給付制限がある場合は2~3カ月経過後)に指定の口座に振り込まれます。

5.2回目以降の給付を受け取る場合

その後は4週間ごとにハローワークへ行き、失業認定を行う必要があります。1回目の失業認定以降は、離職理由によって受給開始期間のみ変わります。
なお求人情報の検索・閲覧や求職の申し込みはオンライン(ハローワークインターネットサービス)でも行えるので、確認してみてください。

参考:雇用保険の具体的な手続き

失業保険の申請は退職からいつまでできる?

失業保険(基本手当)を受給できる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。そのため、申請の期限もこの期間中です。注意する点は、受給期間は申請の時期に関係なく退職後1年のため、申請が遅れた場合はその分だけ手当をもらえる期間が少なくなります。

ただし、申請期限を過ぎても、時効完了の期間である2年間までに申請すれば、失業保険の基本手当を受け取れる場合もあります。しかし、失業保険を遡って申請した場合、通常より受給が遅くなったりほかの給付金の返還義務が生じたりすることもあります。そのため、失業保険は可能な限り期限内に申請するのが無難です。

失業保険に加えて再就職手当ももらえる?

再就職手当とは、雇用保険の受給資格を満たしている人が、失業保険の基本手当の支給日数を残した状態で早期に再就職先を決めたり、開業したりする場合にもらえる手当のことです。「 ハローワーク就職祝い金」とも呼ばれており、ハローワークで所定の手続きをすることで支払われます。条件は以下の通りです。

・基本手当の支給残日数が3分の1以上残っている
・離職前の会社と深い関わりのある会社に就職していないこと
・1年を超えて勤務することが確実であること
・7日間の待機期間が終了後の就職であること

失業保険の基本手当を受給している人に、できるだけ早く安定した職業に就いてもらう目的があるため、早く就職した分、支給率が高くなります。

  • 基本手当の支給残日数が3分の2以上の方:所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額
  • 基本手当の支給残日数が3分の1以上の方:所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額

再就職手当の申請は、原則就職した日から1カ月以内にする必要があります。また、再就職した後すぐに再度離職した場合は再就職手当を除いて残りの失業手当が受給できる可能性があるので、ハローワークに相談するとよいでしょう。

失業保険に関するQ&A

失業保険に関する、よくある質問や疑問にQ&A方式で解決します。

失業保険は手続き後、いつ振り込まれるのか?

自己都合により退職した「一般退職者」か、会社都合で離職した「会社都合退職者」かによって、失業手当の支給タイミングが異なります。

「一般退職者」
7日間の「待期期間」の後、さらに約2〜3カ月の「給付制限」があります。その後、指定の口座に失業手当が振り込まれます。

「会社都合退職者」
離職票の提出と求職申し込みを行った日から7日間の「待期期間」があります。その後、翌日から失業手当が支給されます。

どちらも、実際の入金までには約1カ月ほどかかります。

失業保険を受けている間は保険料や年金を支払うのか?

失業手当(失業保険の基本手当)には税金はかかりません。ただし、退職前と同様に保険料や年金の支払いが必要です。退職後の健康保険については、引き続き組合に加入するか、国民健康保険に加入するか、配偶者の扶養に入るかなどの方法があります。

失業保険の受給中に転職が決まった場合はどうなるのか?

失業保険を受給している期間に転職が決まった場合には、ハローワークにて失業保険の受給停止手続きが必要です。失業保険の基本手当の支給日数が所定日数の3分の1以上残っていると、再就職手当がもらえます。できるだけ早くハローワークへ行って、就職する旨を伝えてください。

再就職の仕事を探すなら”ジョブ派遣”へ

再就職手当は条件を満たせば派遣社員も受給できます。「正社員でなければ申請できない」と考える人もいますが、再就職手当の受給条件に雇用形態の指定はありません。失業保険を受給中の方は、ジョブ派遣で就職先を見つけて、再就職手当をもらいませんか?

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まとめ

このコラムでは、失業保険の申請や受給に関することを解説しました。ジョブ派遣で見つけたお仕事は雇用保険に入る事ができます。いざという時、失業保険をきちんと貰うために、ジョブ派遣でお仕事を探し、雇用保険に加入しながら働きましょう!

仕事探しをするならジョブ派遣がオススメです。求人ページをチェックして、自分に合った仕事を見つけましょう。

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株式会社日輪コンテンツ編集チーム
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