派遣の3年ルールとは?3年たったらどうなる?その後の4つの選択肢

2026年9月29日更新

派遣の3年ルールとは、「同じ事業所の同じ組織単位(課など)で派遣社員が働けるのは最長3年まで」という労働者派遣法の決まりです。上限に達する日の翌日を「抵触日」と呼びます。3年たったあとの主な選択肢は「派遣先に直接雇用される」「派遣会社で無期雇用派遣になる」「別の部署・派遣先で働く」「契約満了で退職する」の4つです。この記事では、3年ルールの仕組みと例外、3年後の選択肢ごとのポイントをわかりやすく解説します。

派遣の3年ルールとは?3年たったらどうなる?その後の4つの選択肢

派遣の3年ルールとは?

3年ルールは、2015年の労働者派遣法改正で定められた派遣期間の制限です。「派遣はあくまで臨時的・一時的な働き方」という考え方のもと、同じ職場で長く働くなら直接雇用などの安定した雇用に切り替えていきましょう、という趣旨で作られました。制限には「事業所単位」と「個人単位」の2種類があります。

個人単位の制限:同じ「課」で3年まで

同じ派遣社員が、同じ事業所の同じ組織単位(課やグループなど)で働けるのは3年までです。たとえば「A社の製造1課」で3年働いたら、同じ製造1課で派遣として働き続けることはできません。ただし、同じA社でも「製造2課」など別の組織単位に変われば、そこからさらに3年働くことができます。

事業所単位の制限:派遣の受け入れは3年まで(延長あり)

派遣先の事業所が派遣社員を受け入れられる期間も、原則3年までです。ただしこちらは、派遣先が過半数労働組合などから意見を聴く手続きをすれば3年ずつ延長できます。多くの職場では延長されるため、実際に働く人にとって効いてくるのは個人単位の3年制限であることがほとんどです。

「抵触日」とは?

抵触日とは、派遣期間の制限を超えてしまう最初の日、つまり3年の期間が満了した日の翌日のことです。たとえば2024年4月1日に働き始めた場合、抵触日は2027年4月1日で、その前日(2027年3月31日)まで働くことができます。抵触日は派遣契約の際に書面で通知されるので、自分の抵触日がいつなのかは派遣会社の担当者に確認しておきましょう。

3年ルールの対象外になるケース

次のいずれかに当てはまる場合、3年ルールの対象外となり、3年を超えて同じ職場で働くことができます。

  • 派遣会社に無期雇用されている場合(無期雇用派遣):期間制限そのものが適用されません。詳しくは無期雇用派遣とは?やめとけと言われる理由と給料・ボーナスの実態をご覧ください
  • 60歳以上の場合
  • 終期が明確な有期プロジェクトで働く場合
  • 日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下)の場合
  • 産前産後休業・育児休業・介護休業を取得する労働者の代替として働く場合

3年たったらどうなる?その後の4つの選択肢

抵触日が近づくと、派遣会社から今後の働き方について案内があります。派遣会社には、同じ組織単位で3年働く見込みの派遣社員に対して「雇用安定措置」を取る義務があるためです。選択肢は大きく4つに分かれます。

選択肢どうなる?向いている人
① 派遣先に直接雇用派遣会社が派遣先へ直接雇用を依頼。実現すれば正社員・契約社員などに今の職場で長く働きたい人
② 無期雇用派遣に転換派遣会社と期間の定めのない契約に。月給制・待機補償あり収入の安定を重視する人
③ 別の部署・派遣先へ同じ会社の別の課、または新しい派遣先でさらに3年働ける環境を変えながら派遣を続けたい人
④ 契約満了で退職失業保険の手続きへ。離職理由の扱いがポイント転職や休養を考えている人

①の直接雇用はあくまで「依頼」であり、派遣先に採用の義務はありません。実現するかどうかは派遣先の判断によるため、希望する場合は早めに派遣会社の担当者へ伝えておくことが大切です。②の無期雇用派遣は、給料が月給制になり待機期間中も収入が続く働き方です。メリット・デメリットは無期雇用派遣の解説記事で詳しく紹介しています。

契約満了で退職する場合の失業保険は?

④の契約満了を選んだ場合に気になるのが失業保険です。3年働いて契約満了となった場合、離職理由が「自己都合」になるか「会社都合(特定理由離職者など)」になるかで、給付制限の有無や給付日数が変わります。

大まかにいうと、自分は更新を希望したのに次の派遣先が紹介されなかった場合は給付制限なしで受給できるケースが多く、自分から更新を断った場合は自己都合扱いになるのが原則です。詳しい条件と手続きの流れは派遣の契約満了は自己都合?会社都合?失業保険をすぐもらえる条件で解説しています。

無期転換ルール(5年ルール)との違い

3年ルールとよく混同されるのが「無期転換ルール(5年ルール)」です。両者はまったく別の制度なので、整理しておきましょう。

3年ルール無期転換ルール(5年ルール)
根拠となる法律労働者派遣法労働契約法
内容同じ組織単位で派遣として働けるのは3年まで有期契約が通算5年を超えたら、申し込みにより無期契約に転換できる
対象有期雇用の派遣社員有期契約で働く労働者全般(派遣は派遣会社との契約年数で数える)
起きること同じ職場で働き続けられなくなる本人が申し込めば無期雇用になれる

派遣社員の場合、同じ派遣会社との有期契約が通算5年を超えれば、無期転換を申し込む権利が発生します。無期転換後は3年ルールの対象からも外れるため、「5年働いて無期転換→同じ職場で長く働く」という道もあります。

派遣の3年ルールのよくある質問

Q. 一度離れれば、また同じ部署で働ける?(クーリング期間)

同じ組織単位を離れて3ヶ月を超える期間が空くと、派遣期間のカウントがリセットされ、再び同じ部署で3年働けるようになります(クーリング期間)。ただし、クーリング期間中は収入が途切れることや、必ず元の部署に戻れる保証はないことに注意が必要です。

Q. 3年ちょうどで必ず辞めなければいけない?

「その職場(組織単位)で派遣として働けるのが3年まで」というだけで、働くこと自体を辞める必要はありません。別の部署・別の派遣先で派遣を続けることも、無期雇用派遣や直接雇用に切り替えて同じ職場に残ることもできます。

Q. 有給休暇はどうなる?

派遣先が変わっても、同じ派遣会社で働き続ける(空白が短い)なら有給休暇は引き継がれます。詳しくは派遣の有給休暇はいつからもらえる?をご覧ください。

まとめ

  • 3年ルール=同じ事業所の同じ組織単位(課)で派遣として働けるのは3年まで。上限を超える最初の日が「抵触日」
  • 無期雇用派遣・60歳以上などは対象外
  • 3年後の選択肢は「直接雇用・無期雇用派遣・別部署/派遣先・契約満了」の4つ。希望は早めに派遣会社へ

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株式会社日輪コンテンツ編集チーム
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