テルハ資格とは?取得方法・メリット・更新条件を臨床工学技士が解説

2025年5月20日更新

資材の運搬や高所作業に活躍する「テルハ」(テレスコピックハンドラー)。このマルチな建設機械を操作するための資格取得について知りたい方も多いのではないでしょうか。本記事では、テルハの資格の種類、取得方法、費用、講習内容、就職への活かし方までを徹底解説します。建設業や倉庫業での就職・転職を考えている方、スキルアップを目指す方必見の内容です。

テルハ(テレスコピックハンドラー)とは?機能と用途

テレスコピックハンドラー(略称:テルハ)は、伸縮するブームに荷役アタッチメントを装着した多機能型の建設機械です。フォークリフトの機能、クレーンの機能、高所作業車の機能を一台に集約した汎用性の高い車両で、欧米では広く普及しており、日本でも徐々に導入が増えています。

テルハの基本構造と特徴

テルハの最大の特徴は、油圧で伸縮する「テレスコピックブーム」です。このブームの先端に様々なアタッチメント(フォーク、バケット、作業台など)を取り付けることで、一台で複数の作業をこなせます。また、四輪駆動・四輪操舵の機能を持ち、不整地での走行性能も優れています。

テルハの主な用途と活躍の場

  • 建設現場: 資材の揚重や運搬、高所作業
  • 倉庫・物流施設: パレット積みの荷物の出し入れ
  • 農業: 穀物や飼料の積み込み作業
  • イベント会場: 機材の設営撤去作業
  • 工場: 大型部品や製品の移動

フォークリフトや高所作業車との違い

フォークリフトが平地での荷役に特化しているのに対し、テルハは高所へのアクセスや不整地での作業が可能です。また、高所作業車と比べると、荷物の運搬能力を備えている点が大きな違いです。クレーンと比較すると、自走能力が高く、狭い場所での作業にも対応できる利点があります。

テルハを操作するために必要な資格

「テルハの重機資格とは何ですか?」という質問に対しては、テルハの使用目的によって必要な資格が異なります。基本的には「車両系建設機械(整地等)技能講習」が必須であり、用途に応じて「フォークリフト運転技能講習」や「小型移動式クレーン運転技能講習」も必要になります。

車両系建設機械(整地等)技能講習

テルハを建設機械として使用する場合に必須となる資格です。労働安全衛生法に基づく技能講習で、3トン以上の車両系建設機械を運転するために必要です。講習内容には関係法令、建設機械の構造や取り扱い方法、安全作業の知識などが含まれます。

フォークリフト運転技能講習

テルハをフォークリフトとして使用する場合(パレット積みの荷物の運搬など)には、フォークリフト運転技能講習の修了が必要です。最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転する場合に求められる資格で、フォークリフトの構造や安全な荷役作業について学びます。

小型移動式クレーン運転技能講習

テルハをクレーンとして使用する場合(フックを使った吊り上げ作業など)で、つり上げ荷重が1トン以上5トン未満の場合に必要です。クレーンの仕組みや安全な操作方法、吊り具の取り扱いなどを習得します。

テルハ資格の取得方法と講習内容

「テルハ資格はどこで取れますか?」という問いについては、全国の安全衛生技術センターや労働基準協会、民間の教習所で各種技能講習を受講できます。大手ゼネコンや建機レンタル会社が社内向けに実施している講習もあります。

受講資格と申し込み方法

技能講習の受講資格は以下の通りです:

  • 満18歳以上であること
  • 健康状態に問題がないこと(特に視力や聴力)
  • 各講習によって「実務経験」が必要な場合もあり

申し込みは教習所の窓口や公式ウェブサイトから行えます。人気の時期は予約が埋まりやすいため、余裕を持って申し込むことをおすすめします。

必要書類と持ち物

  • 運転免許証などの身分証明書
  • 証明写真(縦3cm×横2.4cm)数枚
  • 実務経験証明書(必要な場合)
  • 筆記用具、作業しやすい服装

学科講習の内容

学科講習では以下の内容を学びます:

  • 関係法令(労働安全衛生法など)
  • 建設機械の構造と原理
  • 点検・整備の方法
  • 安全作業の基本
  • 事故事例と対策

実技講習の流れと内容

実技講習では実際にテルハを操作しながら以下の技能を習得します:

  • 始業前点検の方法
  • 基本操作(発進・停止・旋回など)
  • アタッチメントの交換と操作
  • 荷物の積み込み・運搬作業
  • 高所での作業方法

修了試験と合格基準

講習の最終日には学科試験と実技試験があります。学科試験は選択式で基準点(通常は70%以上の正答率)を超えれば合格です。実技試験は指定された一連の作業を安全かつ確実に行えるかが評価されます。両方に合格すると修了証が交付されます。

テルハ資格取得にかかる費用と期間

「テルハ資格の費用はいくらかかりますか?」という質問には、各技能講習によって費用が異なると答えられます。概ね以下の費用がかかります:

  • 車両系建設機械(整地等)技能講習:4万円〜6万円
  • フォークリフト運転技能講習:3万円〜5万円
  • 小型移動式クレーン運転技能講習:3万円〜5万円

これらには学科・実技講習費、テキスト代、検定料などが含まれます。地域や教習所によって価格差があるため、複数の機関で比較検討するとよいでしょう。

「テルハ資格は何日間で取得できますか?」については、各技能講習ごとに以下の日数が必要です:

  • 車両系建設機械(整地等)技能講習:3〜5日間
  • フォークリフト運転技能講習:4〜5日間
  • 小型移動式クレーン運転技能講習:3〜5日間

全ての資格を取得する場合、それぞれの講習に順番に通う必要があるため、トータルで2〜3週間ほどかかります。短期集中コースを選ぶことで期間を短縮できる場合もあります。

助成金・補助金制度の活用法

雇用保険の被保険者は、厚生労働省の「人材開発支援助成金」や「教育訓練給付金」を利用できる場合があります。また、自治体によっては職業訓練の一環として受講料の一部を補助する制度を設けているところもあります。所属企業が資格取得支援制度を持っているケースもあるので、事前に確認するとよいでしょう。

テルハ資格取得のメリットと就職への活かし方

「テルハ資格は役に立ちますか?」「テルハ資格で就職はしやすいですか?」という質問には、建設業界の人手不足を背景に、テルハのオペレーターは需要が高まっており、資格を持つことで就職や転職に有利になると答えられます。

建設業界での評価と需要

テルハは一台で複数の機能を持つため、現場での作業効率が向上します。そのため、建設現場や大型物流倉庫では需要が増加しています。特に都市部の再開発プロジェクトや大型物流施設の建設ラッシュにより、テルハオペレーターの需要は今後も安定して見込まれます。

資格を活かせる職種と仕事内容

テルハ資格を活かせる主な職種には以下があります:

  • 建設工事のオペレーター
  • 倉庫内での資材管理スタッフ
  • レンタル建機の配送・操作指導員
  • 大型施設のメンテナンス要員
  • イベント設営スタッフ

給与・待遇への影響

テルハオペレーターの給与相場は以下の通りです:

  • 未経験者:月給22万円〜25万円程度
  • 経験者:月給25万円〜35万円程度
  • 熟練者:月給35万円以上も可能

複数の資格を持ち、さまざまな現場での経験を積むことで、給与アップや待遇改善につながります。また、建設現場では残業や休日出勤の機会も多く、実収入はさらに増える傾向にあります。

キャリアアップの可能性

テルハオペレーターとしてのキャリアパスには以下のような選択肢があります:

  • 現場監督への昇進
  • 重機インストラクターへの転身
  • 独立して建機レンタル業や工事業の起業
  • 大型特殊免許取得による大型重機への対応拡大

テルハオペレーターの実務と求められるスキル

テルハオペレーターの1日は、朝の点検から始まります。機械の状態確認、作業計画の打ち合わせの後、現場での荷揚げや資材移動などの作業を行います。作業終了後はメンテナンスと日報作成で締めくくるのが一般的です。

オペレーターに求められるスキルと注意点

  • 正確な操作技術: ミリ単位での操作が求められる場面も
  • 空間認識能力: 周囲の状況を把握し安全に作業する能力
  • コミュニケーション能力: 合図係や他の作業員との連携
  • 機械の知識: 点検やトラブル対応ができる技術的知識
  • 安全意識: 常に安全を最優先する姿勢

現場での安全管理と注意点

  • 作業前の周囲確認と危険予知
  • 適切な合図と誘導者との連携
  • 荷重制限の厳守
  • 悪天候時の安全対策
  • 電線など上空障害物への注意

テルハ資格に関するよくある質問(FAQ)

「テルハと小型建設機械の違いは?」

テルハ(テレスコピックハンドラー)は伸縮するブームを持ち、高所への荷上げが可能な多機能型建設機械です。一方、小型建設機械(3トン未満のものを指すことが多い)は主に整地や掘削などの限定的な作業を行う機械で、テルハのような多用途性はありません。テルハは一般的に中型〜大型の建設機械に分類されます。

未経験でも取得できる?

はい、未経験でも取得可能です。技能講習は初心者でも理解できるように基礎から教えてくれます。ただし、実技では機械への慣れが必要なため、自動車の運転経験があると習得がスムーズです。教習所によっては、未経験者向けの事前練習コースも用意されています。

他の建機資格との互換性

テルハの操作に必要な資格は他の建設機械にも応用できます。例えば、車両系建設機械(整地等)技能講習はブルドーザーやショベルローダーなどの操作にも有効です。フォークリフト資格は物流現場で、小型移動式クレーン資格は工場や建設現場で幅広く活用できます。

女性の活躍状況

近年は建設業界でも女性の活躍が進んでおり、テルハオペレーターとして働く女性も増えています。テルハは操作がレバー式で身体的負担が比較的少なく、女性でも十分に操作可能です。特に繊細な操作が求められる現場では、丁寧な作業が評価され女性オペレーターが重宝されるケースも多くあります。

まとめ:テルハ資格で広がる建設業界でのキャリア

テレスコピックハンドラー(テルハ)は、建設現場や物流施設で活躍する多機能型の建設機械です。その操作には主に「車両系建設機械(整地等)技能講習」が必要で、用途に応じて「フォークリフト運転技能講習」や「小型移動式クレーン運転技能講習」も求められます。

資格取得には合計で10万円から15万円程度の費用と2〜3週間の期間がかかりますが、建設業界の人手不足を背景に需要は高く、就職・転職に有利になります。月給22万円〜35万円以上と収入面でも魅力的で、キャリアアップの可能性も豊富です。

テルハオペレーターには正確な操作技術や安全意識が求められますが、未経験者でも資格取得は可能です。女性オペレーターの活躍も進んでおり、性別を問わず挑戦できる職種といえるでしょう。

建設業や物流業でのキャリアアップを目指す方にとって、テルハの資格取得は大きな一歩となります。ぜひ自分のキャリアプランに合わせて、計画的に資格取得にチャレンジしてみてください。

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株式会社日輪コンテンツ編集チーム
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