QC検定3級とは?合格率や資格の難易度・出題範囲について解説!

2024年10月9日更新

QC検定3級とは?合格率や資格の難易度・出題範囲について解説!

QC検定3級は、品質管理の基礎を学びたい方に最適な資格です。主に製造業やサービス業での品質向上を目指す知識を認定するため、多くの企業で重視されています。この資格は、初級レベルの品質管理技術者としてのスキルを証明し、キャリアアップや転職に役立つ重要なステップとなるでしょう。

この記事では、QC検定3級の合格率や難易度、そして出題範囲について詳しく解説します。これからQC検定3級を目指す方のために、効果的な勉強方法や試験対策も紹介していますので、ぜひご参考ください。

QC検定3級とは?

QC検定は全日本品質管理学会(JUSE)が実施する品質管理に関する資格試験の一つで、1級から4級が存在します。3級は初級レベルの品質管理技術者としての知識と技能を評価します。

試験は例年3月と9月に、全国の主要都市で実施され、品質管理の仕事に携わる社員や品質管理を学ぶ大学生・高専生・高校生となっています。

3級では以下のような知識の能力を保有し、基本的な管理・改善活動を必要に応じて支援を受けながら実施できるレベルが求められます。

  • QC7つ道具の作り方・使い方をほぼ理解している。
  • 改善の進め方の支援・指導を受ければ、職場において発生する問題をQC的問題解決法により、解決していくことができる。
  • 品質管理の実践について知識として理解している。

3級は品質管理の基本となっており、実践的なスキルも身に付けることができるようになるため最も受験者数が多い階級です。取得することで工場の一般社員や現場作業員への転職の際に大きく有利に働くでしょう。

QC検定3級の合格率・難易度は?

各級ごとの受験データーを比較すると、このようになっています。

受験者(人)合格者(人)合格率(%)
1級713243.37
1級一次試験免除632210.94
2級9,1592,74729.99
3級25,27612,68750.19
4級7,8876,70184.96
※第37回QC検定(2024年3月実施)

QC検定3級は初級レベルの品質管理技術者を対象としているため、専門的な知識をある程度持っている方ならば、十分な準備を行うことで合格することが可能です。

4級よりは難易度が上がるものの、複雑な計算問題や統計分野の知識はそれほど問われません。
4級を取得せずに受験もできますが、品質管理について知識が無い方が合格を目指す場合は、おおよそ100時間ほどの学習時間が必要とされています。

QC検定3級受検者(人)合格者(人)合格率(%)
第30回(2020年9月)24,43513,12053.69
第31回(2021年3月)21,15211,09452.45
第32回(2021年9月)16,6449,05354.39
第33回(2022年3月)22,97114,74364.18
第34回(2022年9月)26,63314,48654.39
第35回(2023年3月)23,77611,86649.91
第36回(2023年9月)27,83512,95646.55
第37回(2024年3月)25,27612,68750.19

例年の合格率が50%を上回っていることからも、受験のために十分に準備をすることで合格が期待できるでしょう。

QC検定3級の合格基準

QC検定3級の合格基準は、2つの出題分野ごとに得点率が50%以上、さらに総合得点で70%以上を獲得することが求められます。 手法分野: 品質管理の理論やQC七つ道具の使い方に関する問題が出題されます。この分野で50%以上の得点が必要です。 実践分野: 品質管理の実践的な取り組みや、職場での問題解決方法に関する問題が含まれます。こちらも50%以上の得点が合格に必要です。

つまり、どちらか一方の分野に偏った学習ではなく、両分野でバランスよく対策を進めることが重要です。また、総合得点が70%以上であることが最終的な合格の条件となります。

QC検定3級の出題範囲は?

認定する知識と能力のレベル

QC 七つ道具については,作り方・使い方をほぼ理解しており,改善の進め方の支援・指導を受ければ,職場において発生する問題を QC 的問題解決法により,解決していくことができ,品質管理の実践についても,知識としては理解しているレベルです。
基本的な管理・改善活動を必要に応じて支援を受けながら実施できるレベルです。

対象となる人材像

・業種・業態にかかわらず自分たちの職場の問題解決を行う全社員 《事務,営業,サービス,生産,技術 を含むすべて》
・品質管理を学ぶ大学生・高専生・高校生

試験範囲

品質管理の実践
■QC 的ものの見方・考え方
・マーケットイン,プロダクトアウト,顧客の特定,Win-Win
・品質優先,品質第一
・後工程はお客様
・プロセス重視(品質は工程で作るの広義の意味)
・特性と要因,因果関係
・応急対策,再発防止,未然防止,予測予防【定義と基本的な考え方】
・源流管理
・目的志向
・QCD+PSME
・重点指向《選択,集中,局部最適》
・事実に基づく活動,三現主義
・見える化《管理のためのグラフや図解による可視化》,潜在トラブルの顕在化【定義と基本的な考え方】
・ばらつきに注目する考え方
・全部門,全員参加
・人間性尊重,従業員満足(ES)
■品質の概念【定義と基本的な考え方】
・品質の定義
・要求品質と品質要素
・ねらいの品質とできばえの品質
・品質特性,代用特性
・当たり前品質と魅力的品質
・サービスの品質,仕事の品質
・社会的品質【定義と基本的な考え方】
・顧客満足(CS),顧客価値【言葉として】
■管理の方法
・維持と管理【定義と基本的な考え方】
・PDCA,SDCA,PDCAS
・継続的改善【定義と基本的な考え方】
・問題と課題【定義と基本的な考え方】
・問題解決型 QC ストーリー
・課題達成型 QC ストーリー【定義と基本的な考え方】
■品質保証:新製品開発【定義と基本的な考え方】
・結果の保証とプロセスによる保証
・保証と補償【言葉として】
・品質保証体系図【言葉として】
・品質機能展開【言葉として】
・DR とトラブル予測,FMEA,FTA【言葉として】
・品質保証のプロセス,保証の網(QA ネットワーク)【言葉として】
・製品ライフサイクル全体での品質保証【言葉として】
・製品安全,環境配慮,製造物責任【言葉として】
・市場トラブル対応,苦情とその処理
■品質保証:プロセス保証【定義と基本的な考え方】
・作業標準書
・プロセス(工程)の考え方
・QC 工程図,フローチャート【言葉として】
・工程異常の考え方とその発見・処置【言葉として】
・工程能力調査,工程解析【言葉として】
・検査の目的・意義・考え方(適合,不適合)
・検査の種類と方法
・計測の基本【言葉として】
・計測の管理【言葉として】
・測定誤差の評価【言葉として】
・官能検査,感性品質【言葉として】
■品質経営の要素:方針管理【定義と基本的な考え方】
・方針(目標と方策)
・方針の展開とすり合せ【言葉として】
・方針管理のしくみとその運用【言葉として】
・方針の達成度評価と反省【言葉として】
■品質経営の要素:日常管理【定義と基本的な考え方】
・業務分掌,責任と権限
・管理項目(管理点と点検点),管理項目一覧表
・異常とその処置
・変化点とその管理【言葉として】
■品質経営の要素:標準化【言葉として】
・標準化の目的・意義・考え方
・社内標準化とその進め方
・産業標準化,国際標準化
■品質経営の要素:小集団活動【定義と基本的な考え方】
・小集団改善活動(QC サークル活動など)とその進め方
■品質経営の要素:人材育成【言葉として】
・品質教育とその体系
■品質経営の要素:品質マネジメントシステム【言葉と
して】
・品質マネジメントの原則
・ISO9001
品質管理の手法
■データの取り方・まとめ方
・データの種類
・データの変換
・母集団とサンプル
・サンプリングと誤差
・基本統計量とグラフ
・相関係数
■QC 七つ道具
・パレート図
・特性要因図
・チェックシート
・ヒストグラム
・散布図
・グラフ(管理図別項目として記載)
・層 別
■新 QC 七つ道具【定義と基本的な考え方】
・親和図法
・連関図法
・系統図法
・マトリックス図法
・アローダイアグラム法
・PDPC 法
・マトリックス・データ解析法
■統計的方法の基礎【定義と基本的な考え方】
・正規分布(確率計算を含む)
・二項分布(確率計算を含む)
■管理図
・管理図の考え方,使い方
・ X − R 管理図
・p 管理図,np 管理図【定義と基本的な考え方】
■工程能力指数
・工程能力指数の計算と評価方法
■相関分析
・相関係数

>> 参考:品質管理検定レベル表

QC検定3級の試験形式は?

QC検定3級の試験形式は、90分のマークシート形式で行われます。また、各出題分野で50%以上、総合得点で70%以上を取ることが合格の条件です。試験は、事前に過去問や模擬試験を通して準備を整えることで、合格に近づけます。

つまり問題を解き得る事前知識がない限り、得意な分野に一点集中する勉強方法では合格できないという事です。

どちらか一方の分野に偏る事のないよう、計画的に勉強しましょう。

QC検定3級の勉強方法は?

QC検定3級の合格を目指すなら、過去問に取り組むことが効果的です。過去問は試験の出題傾向を把握するだけでなく、自分の弱点を見つけて克服するためにも最適です。QC検定3級の勉強には以下の方法が有効です。

  1. 公式教科書を読む: 公式教科書は出題範囲を詳しくカバーしており、必要な知識と理解を深めるのに役立ちます。公式教科書には、基本的な品質管理の理論と手法、7つのQCツール、統計的手法などが詳細に解説されています。
  2. 過去問題を解く: 過去の試験問題を解くことは、理論を理解し、それを実際の問題に適用する能力を養うのに有効です。過去問題を通じて、試験の形式や出題傾向を把握し、自身の弱点を見つけて克服することができます。
  3. 定期的に復習する: 一度学習した内容を定期的に復習することで、長期記憶に定着させることができます。特に、7つのQCツールや統計的手法など、具体的な手法や計算方法については、頻繁に復習して使いこなせるようにすることが重要です。
  4. 模擬試験を受ける: 模擬試験を受けることで、実際の試験の雰囲気を体験し、時間管理の練習をすることができます。特に、記述問題では時間を適切に配分しなければ全ての問題に解答するのが難しいため、模擬試験で時間管理の練習をしておくことは有効です。

以上の方法を組み合わせて、効果的に学習を進めることが重要です。また、品質管理の知識は日常の業務にも役立つため、自分の仕事にどのように適用できるかを考えながら学習すると、より深く理解することができます。

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QC検定試験の準備

QC検定3級のテキスト・電卓の選び方

QC検定のテキストを選ぶ際には、注意するポイントがいくつかあります。

  1. 頻出度の高い重要用語がわかりやすく解説されているもの
  2. テキスト全体のレイアウトが見やすく、カラー写真や図形、表が多いもの
  3. 本番に沿った模擬問題が多く刑されているもの

QC検定3級では、電卓の持ち込みが許可されています。ただし、関数電卓は使用不可で、ルート(√)機能の付いた一般電卓のみ使用が認められています。試験直前に受験票に記載された持ち物を確認し、試験当日に忘れないよう準備を整えましょう

時間配分のポイント

試験時間は90分と限られているため、効率的な時間配分が合格の鍵となります。特に、計算問題やデータ分析を含む問題では時間がかかりやすいので、事前に時間を計って模擬試験を実施しておくことが効果的です。過去問を解き、実際の試験形式に慣れておくことが重要です。

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まとめ

QC検定3級は、品質管理の基本を学ぶために有効な資格です。試験は90分のマークシート形式で、理論と実践のバランスが重要です。合格基準は各分野で50%以上、総合で70%以上の得点が必要なため、全体的な対策が求められます。 過去問の活用が効果的な勉強法で、試験形式や出題傾向を把握するのに役立ちます。QC検定3級を取得することで、工場勤務や品質管理の仕事でスキルを証明でき、キャリアアップや転職に有利です。 準備をしっかり行い、QC検定3級の合格を目指しましょう。

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