派遣で契約更新をしない時の円満な伝え方は?理由の例文や失業保険について紹介
2024年8月21日更新
派遣社員が派遣契約の終了に直面した際、更新の検討が必要です。派遣契約の更新をしないことも選択できますが、その際トラブルなく伝える方法は難しものです。このコラムでは、契約更新の注意点、更新しない場合の円満な伝え方、適切な理由の説明、そして次の仕事を見つけるためのタイミングについてわかりやすく説明します。
派遣の契約更新とは?
派遣の契約更新とは、今の派遣先で仕事を続けるか、辞めるかを決める事です。
派遣とは、派遣会社が企業(派遣先企業)へ必要な人材(派遣社員)を提供し、その派遣社員が一時的な仕事やプロジェクトに参加する働き方の仕組みです。派遣社員は派遣先企業で仕事をしますが、労働契約を結んでいるのは派遣会社なので、給料は派遣会社からもらいます。派遣社員と派遣先企業の双方が更新に同意すると、同じ派遣先企業で引き続き働くことができます。
派遣会社と派遣社員との契約は最短で31日以上の契約期間を設定することができ、派遣会社によって期間は異なりますが、約3カ月毎に契約を更新するのが一般的です。
2015年9月30日に施行された改正労働者派遣法により、派遣社員は同じ派遣先で3年以上働くことができなくなりました。なので3年以内であれば契約期間を更新することが可能です。
しかし、3年を待たずとして自ら更新をしない、という選択をすることは可能です。更新しない場合は1ヶ月~数ヶ月前までに派遣会社へその旨を伝えておく必要があります。
更新の意思を確認されるタイミングは?
一般的な派遣会社は、契約更新の30日~45日位前に派遣社員に契約更新の意思があるかどうかを確認をします。
反対に派遣会社側から更新の意思がない場合も、一般的に30日位前までに知らされます。3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤務している人に更新しないことを伝える場合には、必ず30日前までに知らせないといけないという決まりが、厚生労働省「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」に定められています。
更新の意思は誰から確認されるのか
契約更新の意思確認は派遣会社の担当者からされます。派遣社員と契約を結んでいるのは、派遣先企業ではなく、派遣会社だからです。派遣会社から、電話やメールまたは職場への訪問による面談を通して、更新の意思を確認されます。派遣会社は派遣社員に更新の意思を確認し、その後、派遣先企業にも更新の意思を確認し、その結果を派遣社員に知らせます。
派遣の契約は自動更新される?
派遣の契約は、自動更新されることはありません。契約の自動更新は契約上の派遣期間の設定が曖昧なものになってしまうため、労働者派遣法で自動更新が禁止されています。契約期間の終了を迎えるたびに、派遣会社と派遣先企業は派遣契約を更新するかしないかを決め、派遣会社と派遣社員は雇用契約を更新するかどうかを決めることになります。
派遣の契約更新はしなくてもよい
派遣の仕事は働く期間が指定された有期雇用契約であるため、原則期間途中での退職はできません。また、即日退職も不可能です。
しかし、更新のタイミングであれば、派遣社員が契約更新を行うかどうかを選択することで、仕事を辞めるか続けるかを決めることができます。これは、法律で守られた権利なので、契約更新の意思がない時は、派遣会社へきちんと伝えましょう。
更新をしない場合、自己都合退職となる
派遣社員が派遣会社を退職する際、退職する時の状況で「自己都合退職」か「会社都合退職」かが変わります。この2つで、何が変わるのかは次の項目で説明をします。
【自己都合退職】
派遣会社が更新の意思を示しているが、派遣社員が更新しないことを選択した場合、「自己都合退職」になります。
【会社都合退職】
派遣会社が倒産してしまったり、派遣社員は働く意思があるが、1カ月以上派遣会社が派遣先企業を見つけることができなかった場合は、「会社都合退職」になります。
自己都合か会社都合かで失業保険の受給日数が変わる
「自己都合退職」か「会社都合退職」によって変わるのは、失業保険の受給日数です。その他、受給時期や受給条件も異なります。
失業保険とは、退職後から再就職までの間、安定した生活を送りながら再就職活動を進められるよう、給付や職業紹介を通じて求職者を支援する制度です。 雇用保険の加入状況に応じて手当が支給され、 失失業保険を受給するためには一定の条件があります。 また、給付を希望する場合は自分で申請する必要があります。
会社都合の場合の失業保険
失業保険は、退職する理由によって「一般受給資格者」「特定受給資格者」「特定理由離職者」に分類されます。会社都合退職は、「特定受給資格者」もしくは「特定理由離職者」になります。自己都合退職者は「一般受給資格者」になります。
失業保険では失業者の保護の観点で、会社都合退職者は自己都合退職者より優遇されています。
会社都合退職の場合、受給開始日が自己都合退職の場合より早く、退職後すぐに失業保険の給付がもらえます。受給日数も自己都合退職の場合より長い期間の設定があり、2倍近い期間受給できる場合もあります。受給条件も、自己都合退職よ緩く、受給し易くなっています。
【会社都合退職の場合】
・開始日:離職票の提出と求職の申し込み手続きをハローワークで行った日の7日後から給付が始まります。
・受給日数:90日~330日になります。失業保険の給付日数は、退職した時の年齢と雇用保険を納めていた期間によって異なります。
・受給条件:退職する前の1年間で雇用保険への加入が6カ月以上あれば、受給資格を得ることができます。
自己都合の場合の失業保険
自己都合退職の場合、退職理由は問われません。
【自己都合退職の場合】
・開始日:職票の提出と求職の申し込み手続きをハローワークで行った日の7日後プラス2ヵ月後から給付が始まります
・受給日数:90日~150日になります。
・受給条件:退職する前の2年間で雇用保険への加入が12カ月以上あれば、受給資格を得ることができます。社会員1年目で自己都合で退職すると失業保険は受給できません。
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円満に派遣の契約更新をしない旨を伝える方法
派遣社員が自らの意思で契約を終了する際には、派遣会社と派遣先企業がともに納得してくれるような理由を伝えることができれば、円満に契約を終了することができます。
以下に、契約更新をしない際の円満な伝え方に関する4つの要点を詳しく説明します。
1.最初に派遣会社の担当者に契約更新しない意思を伝える
契約更新をしない意思が決まったら、最初に連絡を派遣会社の担当者に対して行いましょう。
勤務先で毎日会う機会がある派遣先に伝えたくなりますが、あくまでも契約を結んでいるのは派遣先ではなく派遣会社なので、必ずまず最初に派遣会社に伝えましょう。伝える順番が違うと思わぬトラブルになることもあるので気を付けましょう。
2.契約終了の1か月前までに伝える
契約終了の1か月前までに、契約の更新についての意思を伝えることが望ましいです。これにより、派遣会社や派遣先企業が代替の対策を講じるための時間を確保できます。伝えるタイミングは重要で、早めの通知は、関係を円滑に保つのに効果的です。
3.理由は正直に答える
契約更新をしない理由は、正直に説明するのがよいです。派遣会社は、今後に活かし改善していくためにも、契約更新をしない理由を聞くことが多いです。ただし、伝え方はとても重要です。派遣会社や派遣先企業への一方的な批判や暴言は避けるべきでしょう。何か明確な理由がある場合は、誠意をもってきちんとした言葉で伝えることを心掛けましょう。誠実に説明することが、円満な伝え方に繋がります。
4.直接伝える
契約更新しない意思は、できるだけ直接的に伝えることが望ましいです。電話やメールでのコミュニケーションは、誤解をまねく恐れがあります。さらに、直接話すことは派遣会社に対し誠意を示すことになり、円満に伝えるのにはとても有効な伝え方です。
これらのポイントを遵守することで、派遣契約の更新をしない意思を円滑に伝え、良好な関係を維持できるでしょう。
派遣の契約更新をしない理由の例
派遣社員が契約更新をしない理由は様々です。更新しない理由は、必ずしも伝える必要はありません。しかし、派遣会社や派遣先と良好な関係を維持したい人は、理由を伝えることをおすすめします。
ここではよくある理由と気を付けることを説明をします。ご自身に理由と重ね合わせて参考にして下さい。
一身上の都合の為
仕事を辞める時によく使われる上等文句です。どんな理由でも当てはまります。しかし、派遣会社から具体的な理由を更に聞かれる可能性があります。
家庭の都合の為
家庭の事情には、家族の状況や介護の必要性、子育てのための時間確保、家庭内のトラブル、病気や介護など、家庭に関する事情が該当します。
家庭の都合の場合、詳しく話を聞くこと自体がプライベートに踏み込むことになるため、深く掘り下げるのをためらう方が多い傾向があります。そのため、それ以上具体的に理由を聞かれることは少ないです。
派遣先企業が合わない
実際に働いてみてから、派遣先の仕事が合わない、時間が合わない、人間関係が合わない、仕事場の環境が合わないなど分かる場合があります。派遣先とのミスマッチは派遣社員だけの問題ではありません。理由を丁寧に説明することで、派遣会社から違う派遣先への紹介をしてもらえることに繋がる場合もあります。
また、事前に派遣会社へ相談することで、派遣会社から派遣先企業へ改善の希望を出すことこともできます。契約更新まで余裕がある場合は、一度相談してみましょう。
スキルアップのため
自身のキャリアを考え、スキルアップのために違う仕事を希望し、契約更新しないという理由は、派遣会社の担当者に好感を持たれやすく、プラスの印象を与えることができます。どのようなスキルを伸ばしたいのかも合わせて伝えると、今後自分がしたい仕事が出てきた時に、改めて紹介してもらえることもあります。
次の仕事はいつから探せる?
派遣社員が契約更新しないと決めてから、次の仕事探しはいつからするべきでしょうか。
次の仕事も「派遣の仕事」をする場合と、「派遣以外の雇用形態の仕事」をする場合で分けて考えます。
派遣の仕事の場合
同じ派遣会社を使う
契約更新しない理由を円満に伝えられた場合、派遣会社から次の仕事の紹介を同じもらうことができます。
同じ派遣会社を使うメリットはいくつかあります。入寮している場合、すぐに退寮する必要はなく、紹介された次の仕事のスタートまで時間がある場合は今の寮で待機することもできます。
また、派遣会社の担当者へ事前に相談をしたり、更新しない意思を早めに伝えることで、次の仕事が紹介されやすくなります。
違う派遣会社を使う
違う派遣会社を選択することもできます。派遣会社によって派遣先は異なります。キャリア・スキルアップのためにやりたい仕事がある場合や、派遣会社の対応や派遣先に不満や不安がある場合、派遣会社を変えることも検討しましょう。
しかし、派遣会社を変更することは、面接や引越し等が必要になるため、仕事のスタートまでに時間がかかる場合があります。早めに新しい派遣会社を探すことをオススメします。
また、派遣会社を変える場合、新しい勤務先や仕事と出会うチャンスになる一方、派遣会社ごとの待遇の違いなどに戸惑う可能性もあります。
どちらにするかよく考えて選びましょう。
派遣以外の雇用契約の場合
派遣で働く「派遣労働者」以外の雇用形態には、「正社員(正規雇用)」、「契約社員」、「パートタイム」などがあります。大きな違いは、間接雇用か直接雇用かです。派遣労働者は、使用者と労働者の間に直接の雇用関係がない間接雇用ですが、その他の雇用形態は企業が労働者と直接雇用契約をかわす直接雇用になります。
直接雇用の仕事を探す場合は、求人サイトやハローワークなどを活用して、就職活動をします。就職活動自体はいつからでも始めることができます。しかし、求人の中には急ぎのものも多く、新しい仕事のスタートが派遣契約の時期と重ならないように気を付ける必要があります。
また、間接雇用である派遣労働者を続けながら、直接雇用を目指す方法もあります。紹介予定派遣と呼ばれ、派遣先の会社への直接雇用を前提の派遣で、正社員や契約社員を目指すことができる派遣方法です。派遣先企業と派遣社員の双方の合意が得られた場合、派遣社員は派遣先企業に直接雇用されます。紹介予定派遣の派遣期間については、職種を問わず最長6ヶ月です。紹介予定派遣を希望する場合は、紹介予定派遣に強い派遣会社を探しましょう。
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まとめ
このコラムでは派遣で契約更新の注意点、更新しない場合の円満な伝え方、適切な理由の説明、そして次の仕事を見つけるためのタイミングまで含めて説明しました。
更新しない選択は、派遣社員の権利です。更新しない理由も伝える義務はありません。
しかし、円満な伝え方を知っておくことは、思わぬトラブルを避けるために有効です。次に繋げるためにも是非参考にして下さい。
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